図2 運転者一人一人の乗り心地感覚を
フィードバックする制御の概念図
この問題を解決するために当研究グループでは車両座 席部に搭載するアクティブシートサスペンション(図1) による乗り心地改善を提案している。座席部に固定した 上下加速度センサにより、加速度を検出し、ここから変 位と速度を算出、これに応じてリニアモータに推力を発 生させることで、路面からの入力を打ち消して振動を抑え るシステムである。超小型モビリティの場合、限られた空 間にアクチュエータを設置し、高い推力を発揮させなけ ればならないという技術的な困難さを有するが、概ね良 好な制御を得ることができている。また、乗員の生体情 報を計測することによって乗り心地を定量的に評価する手
法についても研究を行い、乗員の心理状態をリアルタイム にフィードバックし、乗り心地の異なる制御を切り替える システムを構築している(図2)。しかしながら、制振制 御システムのアクチュエータは、ストロークおよび推力、 応答周波数などの面においてその性能の限界を有し、ア クティブシートサスペンションの普及の段階においては十 分な応答と推力の確保ができない廉価なアクチュエータ を利用する場合も想定しなければならないことも課題の 一つである。