研究留学者インタビュー

ブダペスト工科・経済大学
 博士課程 Vamosi Peter

Q1日本における公私に渡る生活は如何でした か? 経験を踏まえた上で、具体的に述べて 頂けますでしょうか。
 日本に来ることはずっと私の「死ぬまでにやりたいこ とリスト」に入っていましたので、この機会をいただい たとき、ほんの少しためらってしまいました。この半年 間は、たくさんの挑戦や困難を含め、私の人生で最高 の経験をできました。完全に独立して海外で生活するこ とは初めてでしたので、ある意味いい目覚ましになり、 そして意外にも自分自身の面倒を見ることも楽しみまし た。研究はまだまだ完璧には程遠いですが、自国にい たままよりも何十年分も先に進めることができました。

間瀬先生と息子さんと一緒に、富士登山にも挑戦、無事登頂

Q2日本に滞在されて、印象深かったこと、或いは興味を感じた事柄について教えて頂けますか?
 日本はあまりヨーロッパと変わらないですが、面白 いと思う違いは若干ありました。公共交通機関が(も ちろん混雑はのぞきますが)とにかく正確であり、清 潔であり、接続が素晴らしかったです。公共交通機 関ではたどり着けないところはほとんどないのではと 思います。
 環境はとても好ましく、清潔な街並みや建物、整備 された住宅や庭を楽しみました。一つとても不思議だっ たのは、ほとんどゴミ箱を見なかったことです。たまに とても不便に感じました。
Q3間瀬研究室における研究内容について、 具体的に教えて下さい。
 間瀬先生より私に課せられた研究は、マイクロ波フ ローにおける反応最適化手法の開発でした。この手法 は“ 9+4+1”と名付けられました。この6ヶ月間で私は 研究を終わらせて出版を成し遂げることができました。 詳細はこの本にまとめました(https://doi.org/  10.1002/tcr.201800048)。

研究室にて、左から間瀬先生、ペーテルさん、佐藤先生

Q4将来に向けて、日本において行われた研究 の成果をどのように発展させて行かれるの でしょうか? また将来の目指すべき目標は 何でしょうか?
  私個人的には器具(設備)がないのでハンガリーで この研究を続けることはできませんが、私の知る限りお そらく間瀬先生はこの主題をこれからも続けていかれる と思います。。
Q5スズキ財団の公募になぜ応募されたのですか?
  一つ目の理由は他国を訪れ、先端技術のある環境で 研究をできる素晴らしい機会だと思ったからです。二つ 目の理由は、前述したように日本に来ることは私の死ぬ までにやりたいことの一つだったからです。

研究室にて、自身の研究を説明するペーテルさん

Q6日本国内を旅行されたかと思いますが、 どのような印象をお持ちですか?
 自分の欠点で、個人的に一人で旅行をするのが好き じゃないのです。でも、友人が二週間私を訪ねて日本 に来てくれたおかげで、一緒にいろいろ旅することがで きました。とても楽しかったです。
Q7日本における実際の生活と来日前の日本の イメージに大きな違いは感じなかったので しょうか?
 ほとんど違いはなかったです。アニメを通してある程 度想像していたので、毎日の生活もほぼ想像していた通 りでした。
Q8日本の生活でこれは困ったというようなこと はなかったですか?
 特別に困った目に遭ったりはしなかったです。どこに いても起こりうる困難でした。掲示物や文書が難しかっ たですが、ある程度学んでからは困難にはならなかっ たです。
Q9研究の傍ら、日本の学生あるいは日本の人々 とどのような交流を行いましたか?
 自分は内気なので友達作りは苦手なのですが、時々 飲みに行ったり、ラーメンを食べに行ったりして交流を 深めました。
Q10ハンガリーと日本ではどのような文化的違い がありましたか? また具体的にどのような 点にそれを感じましたか?
 様々な点でとても違います。私に取って一番大きかっ たのは、仕事に対するやる気です。やらなければいけ ない仕事に対し、誰も文句を言わなかったです。さらに どこに行っても清潔で整った環境が印象的でした。正 直、ハンガリーの文化よりも日本の文化を楽しみました。
Q11大学の国際交流についてどのような意見を 持っていますか?
 6ヶ月という期間は、日本語の勉強を始めるには足り なかったですが、もしもっと長く滞在できれば始めてい ましたし、長期的に役に立ったと思います。とはいえ、 非常に有意義な経験になりました。
Q12スズキ財団による国際交流の支援に関して のご意見を頂けますか?
 この度の機会にとても感謝しています。スズキ財団に ご提供いただいた支援とおもてなしには、心から御礼申 し上げます。人として、そして科学者として成長する素 晴らしい機会を与えていただきました。