私共スズキ財団は、スズキ株式会社の創立60周年の記念事業として、経済産業省ならびに関係方面のご指導とご協力により、関連企業とともに基金を寄託して1980年3月26日に財団法人機械工業振興助成財団として設立されました。そして、新しい公益法人制度に則り2011年4月1日、公益財団法人スズキ財団として新たなスタートを切りました。
機械産業は、高度に専門化された資本財を提供する一方、自動車など国民生活に密着した消費財を提供して、わが国の発展に寄与してきました。その中でも特に国民生活に密着した軽便な性能を有する軽自動車・オートバイなどの小型自動車産業は、数十年間の辛苦を乗り越えて発展を遂げてまいりました。これは小型自動車に機械、器具、部品などを供給し続けた関連機械工業の存在とその努力と、小型自動車に関わる研究者と技術者が、軽量化などの新しい技術開発を絶え間なく続けてきたためであります。
今日、小型自動車産業は、エネルギー、地球温暖化などの問題が深刻化する中で、生産から使用、廃車までのライフサイクルでカーボンニュートラルを目指すことのみならず、交通事故ゼロを目指した先進安全技術の高度化など、これまでとは比較にならない高度で複雑な課題を解決することを期待されています。こうした期待に応えるためには、関連する工業の高度な発展と、優秀な技術者の確保が何よりも大切でありますので、技術開発に対する援助・助成と、これらの分野に携わろうと意欲を燃やす若い研究者に対する一層の奨励と援助を続けて参ります。
当財団の設立から42年間に渡って理事長として、機械工業の発展に努力してきた鈴木 修 前理事長から、2022年度に理事長を交代しました。前理事長と同様に今後とも当財団に対して、皆様方のご指導、ご鞭撻の程お願い申し上げます。