助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2025年度 科学技術研究助成<一般>

(助成期間:2026年4月1日〜2027年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 アンモニア水を用いたポリウレタンのケミカルリサイクル 千葉大学 准教授 青木 大輔
研究要約
本研究では、ポリウレタンに対してアンモニア水を用いた分解反応を適用することで、モノマー(アミンとアルコール)と尿素(肥料)へと変換するリサイクルシステムの開発を目指す。本分解反応には、高価な触媒が必要なく、水を媒体とした簡便な操作で行えることから、経済合理性も期待できる。
2 急斜面の除草を目的とした親子型草刈りロボットの開発 千葉工業大学 教授 青木 岳史
研究要約
本研究では、農作業の中でも肉体的負担の大きい急斜面での草刈り作業の省力化を目的とし、自律移動によって畔の法面の除草作業を行う親子型草刈りロボットの開発を行う。また圃場での実験を通して除草効果の検証をすると共に、圃場周辺の特殊な環境下での自己位置推定と自律移動の実現を目指す。
3 ドライブ回路統合形プリント基板コイル式空芯モータドライブシステムの技術確立 静岡理工科大学 准教授 青山 真大
研究要約
電力変換器を用いて可変速駆動されるモータドライブシステムにおいて、システムの超軽量化と機能統合することを目的に、プリント基板コイル式空芯モータの同一基板にドライブ回路を統合し、それに適した制御アルゴリズムの構築を行う。原理を具現化して試作機を製作し、実機検証するとともに、駆動特性を定量的に評価する。
4 生分解促進環境におかれた有機エレクトロニクス機器における湿熱電気弾性場の解析 大阪公立大学 教授 石原 正行
研究要約
特異な異方性(D∞対称性)を持つ圧電材料(PLA(ポリ乳酸))からなる屈曲・ねじれ動作を兼ね備える知的構造物に対して、環境曝露による劣化を考慮した合理的な設計手法の確立を目指して、材料の生分解性を考慮した湿熱電気弾性基礎理論を構築し、生分解の影響下にある構造物内の湿熱電気弾性場を解明する。
5 CsSnCl3系固体電解質の超塩化物イオン伝導の機構解明とその向上に向けた研究 九州大学 准教授 猪石 篤
研究要約
ペロブスカイト型CsSnCl3系固体電解質の塩化物イオン超伝導性の発現機構を解明する。特にSn原子が持つ孤立電子対による構造への影響を明らかにするために、各種の構造解析を実施する。
6 バリアフリー技術の革新を目指した段差対応型自律移動ロボットの開発 埼玉大学 准教授 井上 一道
研究要約
移動ロボットの段差乗り越え能力向上を目的とし、小径キャスターでも大きな段差を乗り越える新機構を開発する。アクチュエーターによる上下動作と既存サスペンションを併用し、段差検出時のみ機能する設計である。埼玉大学製移動ロボットで設計・実装・検証を行い、社会実装される移動ロボットの活動範囲拡大に貢献する。
7 音声のスペクトル時間変調分析に基づいた騒音環境下でのロバスト音声検出 北陸先端科学技術大学院大学 教授 鵜木 祐史
研究要約
災害時・非常時にドローン・マイクで収録した音信号から要救助者が発する声を拾うことができれば、見通しのきかない場所であったとしても、要救助者の有無を的確に探し当てることができる。本研究では、音声のスペクトル時間変調分析に着目し、高騒音環境下であっても頑健で正確な音声検出法の実現を目指す。
8 強風下におけるVTOLドローンの離着陸制御 神戸大学 教授 浦久保 孝光
研究要約
VTOLドローンは主翼が風を受けるため、一般にホバリング性能は高くないと言われる。しかし、搭載アクチュエータの冗長性を活かしたVTOL独自のホバリング方法によって、耐風性能やエネルギ効率を向上できる可能性がある。本研究では、このホバリング方法を力学的に明らかにし、離着陸のための飛行制御系を構築する。
9 自動車ブレーキ由来粉塵の化学特性と毒性評価に関する国際共同試験研究 慶應義塾大学 教授 奥田 知明
研究要約
Euro 7対応が急務となる中、車重、運転条件およびブレーキ素材の違いによる自動車ブレーキ粉塵の放出挙動および放出粒子の化学的特徴と細胞毒性を調査する。そして得られたデータを統合し、ブレーキ粉塵の放出挙動および粒子の化学的特徴と有害性との関係をまとめ、効果的な非排気粒子削減の方針を提案する。
10 音響進行波を利用したマイクロポンプの開発と非接触流体制御技術の創出 大阪大学大学院 准教授 小野 尭生
研究要約
台形薄膜が音で振動する際に生じる進行波を利用したマイクロポンプを開発する。理論・数値解析によりポンプの動作原理や設計手法を確立する。ポンプを作製し音による送液を実証して、複数ポンプを統合し音の周波数による制御技術も確立する。これらを通じ、非接触で多チャンネル制御可能な新原理マイクロポンプを創出する。
11 半導体封止性能向上に向けた銅/エポキシの熱水処理援用直接接合 東京大学 教授 梶原 優介
研究要約
半導体封止において最重要課題である銅とエポキシの強固な接合技術を確立することを目指す。具体的には、銅と高反応性金属(Al Mg)を同時に熱水浸漬して銅表面に水酸化金属の微細構造を創製する処理法を確立して銅とエポキシの直接接合を実現し、各接合寄与因子の寄与度の数値化して接合メカニズムを明らかにする。
12 高融点金属を用いた熱拡散防止層の導入による耐熱コーティングの長寿命化 広島大学 教授 片桐 一彰
研究要約
エンジンの燃焼部など、高温酸化環境に曝される部品は、耐熱コーティングが基材内部へ徐々に熱拡散することで、劣化が進行します。本研究では、基材と耐熱コーティング間に、衝撃摩擦力及び電気泳動を用いた独自の手法で高融点金属の熱拡散防止層を導入することにより、耐熱コーティングを長寿命化する技術を開発します。
13 抗菌性脂肪酸の微生物生産と自動車内装材への応用による皮膚菌叢制御 北海道大学 准教授 菊川 寛史
研究要約
ビフィズス菌の代謝工学(変異育種、遺伝子改変や培養工学など)によって、抗菌性脂肪酸の高生産を目指すとともに、車内装材やハンドルなど日常的な接触素材への応用を展開する。これにより、質感を損なわずに、黄色ブドウ球菌制御と皮膚マイクロバイオームの保全・健全化を両立する革新的抗菌性素材の開発を目指す。
14 音響データに基づく圧縮機内部非定常圧力場の再構成技術の開発 九州大学 助教 草野 和也
研究要約
低速軸流圧縮機を対象に、動翼近傍のケーシング内壁面における非定常圧力場を、上流に設置した少数のマイクロフォンで取得した音圧データに基づき、ニューラルネットワークによって高精度に再構成するモデルを開発し、複雑な内部流動場を非接触・非侵襲的に可視化する革新的な音響リモートセンシング技術を創出する。
15 ゲル/ゴムを融合したソフトアクチュエータによる細胞組織の早期成熟培養の並列化 東京農工大学 准教授 倉科 佑太
研究要約
圧縮や引張といった機械的な刺激は培養した細胞組織の成熟化に重要な鍵となる。しかし、従来では細胞組織を足場に固定するために大きな組織の形成が必要であり、早期から刺激できない課題があった。そこで本研究では、ゲル/ゴムを融合して並列培養できるソフトアクチュエータを開発し、細胞組織の早期成熟化を目指す。
16 高ノイズ耐性を有するユビキタス印刷磁気抵抗センサーの開発 九州大学 助教 黒川 雄一郎
研究要約
本研究では磁性多層膜の性能改善,磁性多層膜を有するフレキシブルシートの加工を行うことで,高ノイズ耐性を有し,低消費電力な印刷磁気センサーを開発する.また,半導体カーボンナノチューブによる回路をモノリシックに印刷し,大量生産可能なユビキタスセンサーを実現する.
17 人工皮膚モデルを用いた皮膚色多様性対応AI診断技術の開発 東京都立大学 助教 河野 貴裕
研究要約
皮膚がん診断AIにおける肌色依存の偏りを克服するため、光学シミュレーションと3Dプリンタにより多層人工皮膚を作製し、多様な肌色条件を再現した学習データを生成して公平なAI診断基盤を構築する。
18 金属ナノ粒子焼結接合材を用いたパワーデバイス向け高耐熱実装技術の研究 神奈川県立産業技術総合研究所 研究員 小柴 佳子
研究要約
Niナノ粒子にAl粒子を混合した大気・無加圧接合を特徴とする独自のNi-Al接合材を提案し、接合後の初期強度は十分であることを明らかにしている。本研究では温度サイクル試験による接合強度の長期信頼性評価、接合材の熱特性、電気特性評価を実施し、パワーデバイス向け高耐熱実装技術としての有用性を示すことを目指す。
19 放射光を用いた非破壊深さ方向分析による水素吸蔵合金表面の活性化の解明と最適化 九州シンクロトロン光研究センター 主任研究員 小林 英一
研究要約
本研究は放射光を用いた光電子分光法およびX線吸収分光法により、非破壊で水素吸蔵合金表面の深さ方向分析を行い、原子、分子レベルで合金表面の酸化膜の形成過程やその膜と水素との反応メカニズムを解明する。得られた知見から水素吸蔵合金を使用する前に行う活性化処理の最適化条件を提案する。
20 実路走行時の軽自動車から排出されるアンモニアの排出実態解明とモデル化 東京科学大学 准教授 佐藤 進
研究要約
実路走行時の軽自動車から排出されるNH3 の排出実態を、車載計測装置を用いて解明する。NH3 は三元触媒の反応により生成され、出力の小さい軽自動車ではリッチ制御に入る頻度が高くなりNH3 排出量が高くなる恐れがある。実路走行時のNH3 排出量分布を解明し、それに基づくNH3 排出量予測モデルを構築する。
21 自動車軽量化のための圧力場を活用したマグネシウム合金用レーザ溶接法開発 大阪大学 教授 佐野 智一
研究要約
本研究では、金属組織を作り込むときに通常考慮される「温度場」だけでなく、これまで無視出来るほど小さかった「圧力場」を新たに取り入れることによって、これまでに無い新しい金属組織制御法の基盤となる新しい学理を探究し、この新しい学理を基に、割れの無い高強度な溶接継手を実現する新しいレーザ溶接法を開発する。
22 人の言語指示トーンに適応可能な群ロボットシステムのための学習法の開発 奈良先端科学技術大学院大学 准教授 柴田 一騎
研究要約
本研究は、人の言語指示トーンに適応する群ロボット学習法の確立に取り組む。「必ず集まれ」などのトーンに応じて、指示遵守とタスク遂行の重みを調整可能な学習の枠組みを構築する。本技術は、直感的に操作しやすい群ロボットシステムの基盤技術として、搬送や災害救助など国民生活に直結する分野への応用が期待される。
23 人間とモビリティの共存のための超小型モビリティの走行経路設計 東京都市大学 教授 杉町 敏之
研究要約
本研究は、超小型モビリティが歩行者と共存する道路空間において、安全性だけでなく歩行者の心理的安心も考慮した走行経路設計手法を提案する。歩行者の感性をモデル化し、リスクポテンシャルを用いた経路生成手法に組み込むことで、歩車共存空間での受容性を高める経路設計を行い、その有効性を実機実験により評価する。
24 精密設計された金属微粒子触媒による二酸化炭素電解技術の開発 東京大学 教授 鈴木 康介
研究要約
本研究では、独自開発した無機分子合成法により、原子レベルで構造制御した金属微粒子触媒を創製し、自動車や各種機械の運転、産業活動から排出されるCO2を燃料や基幹化学品へ高効率かつ選択的に変換する電解触媒技術を開拓する。これにより、省エネ・低炭素化に資する基盤技術を開発し、持続可能社会の実現に貢献する。
25 車両ナビゲーションのためのスマートフォンによるセンチメートル精度測位の実現 千葉工業大学 上席研究員 鈴木 太郎
研究要約
スマートフォンによる高精度測位は、車両やモビリティのナビゲーションへの利用が期待されているが、現状その精度は1m前後である。そこで、①ロバスト最適化によるセンサ観測の密結合、②信号再放射によるアンテナ性能の向上、に取り組む。これによりスマートフォンの位置精度をcmレベルまで引き上げることを目指す。
26 レアアースフリーな同期リラクタンス発電機の自立発電始動 長崎大学 助教 大道 哲二
研究要約
本研究は、同期リラクタンス発電機の自立発電始動を対象とし、残留磁束依存の不安定性を克服するため、電力貯蔵装置による補助励磁方式を提案・実証する。EDLC や小型バッテリを用いて始動安定性を確保し、分散型再生可能エネルギーシステムへの実用的展開を目指す。
27 積層造形で製作する誘導モータのマルチフィジックス最適設計 早稲田大学 教授 竹澤 晃弘
研究要約
本研究では、レアアースレスであり高回転に強い誘導モータを対象に、銅積層造形の高い製造自由度と、数値計算により最適な形状を実現する構造最適化法を活用し、磁気的特性の向上と省スペース化を狙ったコイル及び、排熱性の著しい向上を狙った冷却ジャケットを最適設計することで、究極の高出力密度の実現を目指す。
28 過給火花点火機関の異常燃焼発生とCa系潤滑油添加剤の評価 工学院大学 教授 田中 淳弥
研究要約
過給火花点火機関は特徴的な異常燃焼を生じる。この発生はシリンダー内潤滑油滴の自着火に起因すると考え、実機実験と基礎実験をLivengood Wu 積分で繋ぐことで、 異常燃焼の 発生条件や発生時の挙動に関して定量評価する。 これにより、運転条件、Ca系添加剤 の影響が評価され熱効率を最大にしつつ、 異常燃焼の回避が可能となる。
29 流体-固体境界の音響インピーダンス設計による自動車用HVAC騒音低減 岐阜大学 教授 寺島 修
研究要約
自動車の電動化に伴いHVAC送風騒音が顕在化し、快適性を損なう要因となっている。本研究では、独自に見出した「流体-固体境界の音響インピーダンス設計技術」をHVAC送風路に適用し、騒音低減と送風効率の向上を目指す。従来の吸音材に依存しない革新的な設計手法であり、車載送風機器や空調機器全般への応用が期待される。
30 オペランド分析を駆使したナノシートガスセンサの表面原子プロセスの解明と応用 東京大学 講師 豊島 遼
研究要約
モノのインターネット時代では、周囲のデータを常時計測するセンサデバイスが本質的に重要である。金属ナノシートガスセンサは、小型、省エネルギー、高感度、高選択の特徴を備えるが動作原理の理解が不十分である。センサデバイス技術とオペランド分析を融合して分子ガスの認識原理を解明するともにセンサ構造を最適化する。
31 高解像同位体イメージングによる高温界面輸送反応場のモデリング 東京科学大学 准教授 長澤 剛
研究要約
固体酸化物形燃料電池電極や固体触媒内の反応分布定量化は、工学上重要な課題である。本研究では実電極やモデル気固界面に形成される化学種分布を高解像同位体イメージングにて捉えると共に、マルチスケールシミュレーションと機械学習を融合したデータ解析手法を構築することにより、輸送反応場を定量化することを目指す。
32 翼径可変機構による、次世代VTOLの飛行性能と静粛性を革新するプロペラ形状最適化 九州大学 准教授 中島 康貴
研究要約
VTOLの飛行性能革新のため、飛行状況に応じて回転翼の大きさを変える「翼径可変プロペラ」を開発する。垂直離着陸時は径を広げて静粛に、水平飛行時は小さくして航続距離を伸ばす。シミュレーションと風洞実験で、二律背反の翼形態を動的に変態させる機構の設計を確立し、次世代エアモビリティの基盤技術確立を目指す。
33 マルチモーダルAI における「視覚」と「言語」の意味的架橋の解明 東京工科大学 教授 中西 崇文
研究要約
マルチモーダルAI のブラックボックスに対し、独自XAI技術AIME で挑む。画像の特定領域がテキストのどの言葉の生成に貢献したかを定量的に算出する。これにより、これまで不明だった「視言語連想」のメカニズムを解明し、AI の判断根拠を明らかにする。
34 超過濃水素副室燃焼乱流ジェット点火による希薄混合気の燃焼モデリング 東京大学 教授 中谷 辰爾
研究要約
高熱効率、低窒素酸化物排出の次世代水素エンジンを実現するため、副室水素超過濃燃焼による乱流ジェット点火を用いた水素希薄混合気の燃焼を実験的に調べる。同時に乱流燃焼シミュレーションを実施することで、副室サイズや噴射孔形態に着目しながら窒素酸化物生成を含む燃焼メカニズムを明らかにする。
35 宇宙テザーを利用した超大型マニピュレータの実現性に関する地上評価 静岡大学 教授 能見 公博
研究要約
宇宙空間移動に、燃料に替わってテザー(ロープ)を用い、クリーンエネルギーによる宇宙SDGs を目指す。軌道上で伸展されたテザーの上を質量が移動すると、伸展方向から逸脱して動く。この原理を利用し、テザーをアーム、質量を関節とする超大型マニピュレータとして制御する。その地上評価を本研究申請範囲とする。
36 GAを用いた3次元ハルバッハコイルの最適設計による高効率非接触給電システムの開発 慶應義塾大学 准教授 野崎 貴裕
研究要約
電気自動車の普及に不可欠な非接触給電の高効率化を目指す。コイルの磁場を片側に集中させるハルバッハ配列を3次元構造へ拡張し、遺伝的アルゴリズムを用いて最適化することで、送電効率の飛躍的向上を図る。小型自動車の利便性を増進する独創的かつ先進的な本研究は、新しい機械工業技術の発展に貢献する。
37 金属薄板の静水圧応力依存性の面内異方性に関する研究 岐阜大学 准教授 箱山 智之
研究要約
静水圧応力負荷引張試験装置を開発し、純アルミニウム薄板および低炭素鋼板の降伏応力の静水圧応力依存性とSD 効果の面内異方性を実験的に解明する。さらに結晶塑性有限要素モデルを構築し、静水圧応力依存性の機構を解明する。塑性理論の深化と高精度な塑性変形予測技術の確立によって、自動車の軽量化に貢献する。
38 ストレッチャブル半導体高分子材料の創成と有機薄膜太陽電池への応用 山形大学 教授 東原 知哉
研究要約
ウェアラブルデバイス電源として伸縮自在な有機太陽電池デバイスの材料開発が求められている。本研究では、捻じれ構造や屈曲構造をもつ応力緩和ユニットを有する新規半導体高分子の材料群の開発とブレンド薄膜におけるモルフォロジーの精密制御を行うことで、半導体高分子材料の伸縮性とデバイス特性の両立を達成する。
39 DNAネットワーク構造を用いたリザバー演算素子によるロボット触覚認識技術の開発 呉工業高等専門学校 准教授 氷室 貴大
研究要約
本研究では、DNA分子のランダムネットワーク構造をリザバー演算素子として利用し、ロボットアームから得られる触覚信号を効率的に処理・判別する新規技術を開発する。これにより、従来困難であった柔軟物体や不規則形状物体の識別を実現し、ロボットの精緻な操作やヒューマンインタラクションへの応用を目指す。
40 力覚グリッパを搭載した小型自走ロボットによる微小部品の高精度自動組立 横浜国立大学 准教授 渕脇 大海
研究要約
力覚付グリッパを搭載した小型自走ロボットによる微小部品(0。01mm~10mm)の高精度自動組立を実現することを目的とする。主な課題は、力覚グリッパの開発、XYθ 変位センサと力覚センサを統合した変位と力のリアルタイム制御である。本研究により、機械・電子・生物医療分野の生産現場の省スペース化・柔軟化・高品質化に貢献する。
41 水中衝撃波によるマルチマテリアル接合部材の分離技術に関する研究 九州工業大学 准教授 松本 紘宜
研究要約
次世代の車体構造として期待されるマルチマテリアル接合体の普及には強固な接合技術と共に、資源循環の観点から容易な分離技術の確立も求められる。本研究では急激な圧力上昇を伴う衝撃波に注目し、音響インピーダンス比に応じて接合界面で生じる応力集中を利用した新たな材料分離技術の原理実証に取組む。
42 乱流の抵抗を減らす浮力を用いた新しい制御のアプローチ 電気通信大学 教授 守 裕也
研究要約
本研究では、壁温を時間と場所で変えることによる乱流制御の効果を、熱をよく伝えるナノ粒子を混ぜた流体と組み合わせ、さらに高めることを目指す。壁温の調整には、工場・プラント等で生じる廃熱利用を想定する。これによりエネルギー消費を減らしながら熱のやりとりを高め、省エネと脱炭素の両立ができる。
43 形状と材料の異方性が重畳した軽金属構造体の力学機能設計手法の構築 熊本大学 教授 眞山 剛
研究要約
本研究は、金属積層造形技術等への応用を想定し、形状と材料の異方性を重畳させて優れた力学機能を持つ軽量構造体を数値的に設計する基盤技術を構築することを目的として実施する。数値的な手法としては研究代表者が構築してきた結晶塑性有限要素法とし、独自コードに加えて汎用有限要素法による解析・設計環境も整備する。
44 自動車の廃熱を活用した新規熱電変換技術の開発 名古屋大学 教授 水口 将輝
研究要約
これまでの熱電変換技術の延長上に無い磁性超構造と熱磁気効果の組み合わせを基軸として、自動車からの廃熱を再利用することによる自動車用熱電変換技術を開発する。熱電変換現象である“異常ネルンスト効果”を基盤的な要素技術と位置付け、本効果が最大限に効率的に機能する磁性体のナノスケール構造を探索・創製する。
45 フェムト秒レーザーパルス誘起炭化を利用したコンパクト熱量フローセンサーの開発 静岡大学 教授 Mizeikis Vygantas
研究要約
本研究では、高分子のフェムト秒レーザー炭化を用いたフレキシブルな熱式流量センサーの開発を提案する。本手法により、低コストで耐久性が高く、小型化されたデバイスを実現でき、医療、航空宇宙、自動車システム、環境モニタリングなどへの応用が期待される。
46 電子線ホログラフィーによる電磁場解析の新展開:電子照射に弱い物質材料への拡張 九州大学 主幹教授 村上 恭和
研究要約
電子線ホログラフィーは、透過電子顕微鏡の超高分解能で物質内の電場・磁場を精緻に計測できる技術であり、本邦が国際的に高い競争力を保持する。本研究では、電子ビーム照射に弱く、従来はデータ収集さえ困難であった試料系に当該技術を展開するための要素技術を構築し、物質・材料の研究探索空間の飛躍的な拡張を導く。
47 作業者の視点に着目した複雑な機械製品のための分解順序推論 大阪公立大学 講師 山田 香織
研究要約
製品の分解作業においては、手順書がないこともある。本研究課題では、複雑な構造の機械製品を安全に分解するため、分解順序推論方法の確立を試みる。そのために製品の構造と作業者の視点にそれぞれ着目する。工学的観点から、部品の接続・位置関係より分解順序を導出する。また、作業者の視点を分析し、判断の要因を探る。
48 受動輪としての全方向車輪の機能特性の実験的確認 法政大学 教授 山田 泰之
研究要約
旋回を要する車体では、車輪の操舵が一般的である。例えば、台車、什器、ベビーカー等の日常にある車体もキャスタ車輪を用いる。本研究では全方向移動ロボット等の駆動輪であるオムニホイールを、受動輪として利用した車両の旋回性能等の特徴を把握して、受動移動車体の性能向上の可能性を検証する。
49 アルミニウム合金溶接金属のブローホール抑制に向けた格子間隙拡大効果の検証 大阪大学 助教 山本 啓
研究要約
本研究は、アルミニウム合金の溶接時に発生する水素由来のブローホール欠陥に対し、格子間隙の拡大により水素固溶限を増大させることでその根本から抑制する新規材料学的アプローチを提案する。置換型固溶元素の添加による構造変化を実験と計算の両面から検証し、次世代溶融プロセスに資する合金設計指針を確立する。
50 搭乗者にとって快適・安心な自律移動を目指した電動車いすの手動運転特性に関する研究 東京科学大学 特任准教授 吉武 宏
研究要約
本研究では、電動車いすユーザの手動運転の特性を把握して考慮することにより、搭乗者にとって快適・安心な自律移動の実現を目指す。まず電動車いすシミュレータを活用し、周辺に歩行者が存在する歩行空間における手動運転データを収集する。そして、データ分析により、快適性・安心感に資する手動運転の特性を把握する。
51 赤外線集中加熱による低酸素シリコン単結晶育成技術の開発 山梨大学 教授 綿打 敏司
研究要約
自動運転社会実現にも有用なセンシング材料の1つ赤外線レンズ材料として低酸素シリコン単結晶の育成プロセスに申請者がこれまで培ってきた単結晶育成技術を応用することで一層の高純度化を目指している。資源的にも豊富で、我が国が優位性を維持し続けているシリコン単結晶の可能性を拡げることを目指す。
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2025年度 科学技術研究助成<若手>

(助成期間:2026年4月1日〜2027年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 正極のダイレクトリサイクルにて生じる残留Cの機能解明と低コスト蓄電池の開発 秋田大学 助教 安部 勇輔
研究要約
ダイレクトリサイクルは簡易な熱処理や化学的処理だけで不純物を取り除き、リチウムイオン電池の正極材をリサイクルする手法である。本研究では、この手法で除去される不純物をN2やArでの熱処理によって意図的にカーボンとして残留させ、それを含むLiCoO2の特性改善に挑む。
2 多環芳香族を起点としたすす粒子生成過程のモデル化と検証 九州大学 准教授 安藤 詩音
研究要約
本研究は、自動車燃料の燃焼で発生するすす粒子の生成と成長の仕組みを明らかにすることを目的とする。小型燃焼装置による光学計測と数値解析を組み合わせ、粒子の発生や成長に関わる要因を定量化することで、自動車排出ガスの低減に役立つ基盤知見を得る。
3 熱電デバイスへの応用を志向したn型有機導電性材料の開発 大阪大学 助教 安藤 直紀
研究要約
キノイド分子を対象に分子構造と自己ドープ特性の相関を解明し、キャリア生成を支配する構造的要因を明確化する。これに基づき、高い電気伝導率と大気安定性を兼ね備えたn型導電性材料の設計指針を確立する。さらに分子構造の最適化を行い、熱電材料としての応用可能性を追求する。
4 高周波 FMCW レーダーと受動型金属反射板を用いた死角車両距離推定 明治大学 専任講師 伊丹 琢
研究要約
本研究では、高周波FMCWレーダーとガードレール、同軸ケーブル付き送受信アンテナを組み合わせることで、死角に存在する複数台前方の車両の車間距離や形状を高精度に計測する新たな手法を開発し、高齢ドライバーの事故防止、自動運転車両の予測制御精度向上、次世代モビリティの安全性向上に貢献することを目的とする。
5 可変剛性による力覚提示機能を有する薄膜ハプティックインターフェースの開発 東京科学大学 助教 市川 健太
研究要約
生体と機械のインタラクションを媒介する薄膜インターフェースとして、エラストマー材料の圧縮ひずみに応じたダイナミックな剛性変化を活用した可変剛性アクチュエータを開発し、本アクチュエータによって接触時の硬さを所望の値に制御し力覚提示する、薄膜シート状のハプティックインターフェースへと発展させる。
6 有限厚さ材料における超高速な摩擦運動による力学的負荷の解析 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究員 岩下 航
研究要約
有限厚さ材料における音速近傍の超高速な摩擦運動を対象に、大規模数値解析を行い、摩擦応答と変形挙動の支配メカニズムを明らかにする。摩擦速度・張力・形状を体系的に評価し、力学的負荷を低減する設計・運用指針を構築し、自動車や航空機のタイヤなどの超高速摩擦を伴う工業製品の安全設計や事故防止に貢献する。
7 路面状態とロボット身体構造に汎用的なオドメトリ基盤モデルによる高精度自己位置推定 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 産総研特別研究員 大河原 拓
研究要約
本研究では、路面状態・ロボット身体構造に汎用的なオドメトリ基盤モデルを構築し、高精度な自己位置推定を実現する。路面への汎用性を備えた従来モデルを拡張し、多様な身体構造を柔軟に表現できる可変長入力に対応したGraph Neural Network(GNN)を用いることで、両者に汎用的なモデルを目指す。
8 GNSS時刻同期を活用した走行中ワイヤレス電力伝送システムの可能性探索 東京都立大学 助教 太田 涼介
研究要約
走行する電気自動車にワイヤレス給電を行う場合,受電コイルが送電コイルを通過するわずかな時間に,多くの電力を高効率に伝送することが求められる。本研究では,衛星測位システムGNSSによる高精度時刻同期をDWPTに導入し,短区間における高効率大電力伝送を実現するための新しい基盤技術の可能性を検証する。
9 有効視野の予測に基づき視野を改善・回復するウェアラブルシステム 神戸大学 准教授 大西 鮎美
研究要約
効視野は提示情報やデバイス装着により動的に変化し,安全性や作業効率に影響を与える.本研究では有効視野を予測するモデルを構築し,その結果に基づいて提示方法を適応的に制御することで視野の狭窄を防ぎ,さらに改善・回復を促すウェアラブルシステムを開発する.
10 日常生活環境に対応した二輪型荷物搬送ヴィークルの開発 中央大学 助教 大平 峻
研究要約
本研究は階段昇降を伴う環境下での配達作業における人の負担軽減を目的とし、人と協調して荷物を搬送する二輪型ヴィークルを開発する。操作者の力やヴィークルのセンサ情報から動作意図と環境状況を推定し、適切にアシストする制御系を構築する。さらに、降下時の加速度や衝撃を緩和する補助輪機構を設計・検証する。
11 放射線治療の高精度化に資する準リアルタイム計測システムの開発 奈良先端科学技術大学院大学 助教 加藤 匠
研究要約
本研究は、放射線治療における線量分布の高精度評価を目的とし、輝尽蛍光体を用いた準リアルタイム計測システムの構築を目指す。新規輝尽蛍光体の開発と応答特性の最適化により、照射中の線量変化を即時に把握できる技術の確立を図り、放射線治療の安全性と精度向上に貢献する。
12 自律小型二輪モビリティ実現のための冗長ツインジャイロ安定化機構開発 兵庫県立大学 助教 川口 夏樹
研究要約
本研究では,自律的にバランス走行する小型二輪モビリティの実現を目指し,その基盤となる冗長ツインジャイロ安定化機構を開発することを目的とする.冗長機械系の制御理論を拡張し,外乱・偏重心環境における安定条件を数理的に解明するとともに,小型試作機による実験を通じて基本的な実現可能性を検証する.
13 小型電気自動車の軽量・高効率冷却配管を実現する引抜き加工法の開発 名古屋工業大学 助教 岸本 拓磨
研究要約
小型電気自動車(EV)のバッテリ冷却用アルミニウム合金管の空引きにおける変形の異方性と結晶方位差に基づく肉厚変化・表面粗さ発達を定量化し、アルミニウム合金管特有の薄肉化と内面平滑化を同時に達成する加工条件を明らかにし、EV冷却管の高機能化に貢献することを目指す。
14 めっき浴中の粒子分散メカニズム解明と電析特性制御への応用 法政大学 助教 北村 研太
研究要約
粒子分散めっきはめっきの耐摩耗性を高める技術だが、原料のめっき浴中で粒子を均一に分散させることが必要である。我々は材料の混合順序を工夫し、分散性を改善、粒子含有量の増加に成功した。本研究ではまだ未解明のこの理由を解明し、導電性を保ちながら耐摩耗性に優れためっきを開発し、自動車部品への応用を目指す。
15 潜在的注意がマイクロサッカードの方向に及ぼす影響 三重大学 准教授 木下 史也
研究要約
近年、マイクロサッカードの情報から潜在的注意を定量的に評価しようとする試みが盛んに行われている。一方、マイクロサッカードは潜在的注意によって変動することは確認されているものの、未だ一定の結論は得られていない。そこで本研究課題では、潜在的注意がマイクロサッカードの方向に及ぼす影響について実験を行う。
16 車載カメラによる人物間インタラクションの多様性を考慮した行動予測システムの開発 福井大学 講師 顧 淳祉
研究要約
本研究では、深層学習に基づくAI技術を用いて、車載カメラに映る複数歩行者間の多様なインタラクションパターンを解析し、各人物の将来行動を高精度に予測可能なシステムを開発する。本手法は人物間の複雑な相互作用を理解し、自動運転における安全性と実環境への適応性を向上させ、新規市場を創出できる可能性を有する。
17 マルチコプターの揺動の小さな飛行を実現する非線形ロバスト制御の学習 名古屋大学 助教 佐々木 康雄
研究要約
本研究では、マルチコプターに対して非線形H∞制御則を学習する手法を確立する。本手法の確立によって、強い外乱に対する姿勢の乱れがある基準以下になることを保証する制御則が設計できる。本手法の確立のため、マルチコプターの非線形H∞制御則の学習において重要な、データを均一に生成する技術を重点的に開発する。
18 高放熱性を有する熱可塑性樹脂/配向六方晶窒化ホウ素コンポジット絶縁材料の創生 豊橋技術科学大学 助教 佐藤 孝政
研究要約
低コスト化による薄板化などの要求からセラミクスに変わる高放熱特性と許容可能な電気絶縁特性の両方の特性を兼ね備えた新たなる材料の開発が急務となっている。本研究では本研究グループがもつ特許技術を駆使し、これまでにない電気絶縁性と高い放熱特性をもつ熱硬化性樹脂/無機充填剤コンポジット絶縁板を開発する。
19 現地資源利用を目指した月レゴリスの光触媒応用 静岡大学 助教 下迫 直樹
研究要約
月面拠点での現地資源利用を見据え、月レゴリスを光触媒として実用化するための処理プロセスを確立する。模擬月レゴリスに大気加熱・真空加熱・成分分離を施し、標準光触媒試料と同条件で性能を評価し、空気・水浄化および水分解への適用可能性を示す。
20 原子炉の安全性向上を目指した気液二相流における液膜速度場の高精度計測技術の開発 九州大学 特任助教 張 華誠
研究要約
本研究は、分子タギング技術に基づく気液二相流中の極薄液膜の速度場を高精度かつ非接触で計測する新手法を開発する。これにより、液膜消失現象(ドライアウト)の発生機構を解明し、原子炉の冷却限界予測精度向上と安全性強化に貢献する。
21 座位姿勢に特化した腰部負担推定システムの開発 香川大学 講師 土谷 圭央
研究要約
本研究は、独自の腰仙椎アライメント推定技術とウェアラブルセンサを組み合わせ、座位における腰部負担を定量的に評価・可視化するシステムを開発する。これにより、個人の身体特性に応じた姿勢誘導を可能にし、腰痛予防や健康寿命延伸に貢献する。本研究は、生体情報と外部負荷を統合する先進的なアプローチである。
22 高機能金属材料合成を実現する核形成過程のその場電顕観察 東京大学 特任准教授 中室 貴幸
研究要約
良質な金属材料の創製には結晶化制御が不可欠だが、その極微・瞬時な過程の解明は困難であった。本研究では透過電子顕微鏡によるその場観察により、金属結晶の核形成過程を原子レベルで可視化し、その機構と制御法を明らかにする。
23 低コストかつ超小型のX線光電子分光(XPS)装置の開発 奈良先端科学技術大学院大学 助教 橋本 由介
研究要約
低コストかつ超小型のX 線光電子分光(XPS)装置の開発を目指す。XPS は新材料開発に不可欠な分析手法だが、市販装置は数千万円以上と高額なため中小規模の研究機関では導入が困難である。我々が開発してきた阻止電場型電子エネルギー分析器のシンプルな構造と安価な製作可能性に着目し、汎用性の高いXPS 装置を実現する。
24 ハルバッハ配列磁石を利用した磁気ダンパの高性能化 工学院大学 准教授 廣明 慶一
研究要約
近年機械製品に利用される金属板の薄肉化が顕著となっており、振動が発生しやすくなっている。これに対して本研究は、「ハルバッハ配列」と呼ばれる磁石配列を利用することで一方向に強力な磁場を作り出し、磁気ダンパの減衰性能を飛躍的に高めることで金属薄板に発生する大振幅の振動を効果的に制振することを目指す。
25 機械学習による複合材料積層板の損傷挙動及び力学的特性低下予測手法の確立 広島大学 准教授 FIKRY MOHAMMAD
研究要約
複合材料積層板は軽量かつ高強度で航空機等に用いられるが、内部に生じる損傷は複雑で多様であり、それに伴う力学的特性低下の予測は容易ではない。本研究は、機械学習を用いて損傷挙動と特性低下を高精度に捉える予測手法を確立し、実験知見と解析を統合して信頼性ある評価枠組みを構築することを目指す。
26 励起子ダイナミクスのボトムアップ制御による低閾値有機半導体レーザーの開発 九州大学 特別研究員 (学振) 福間 翔太
研究要約
省エネルギーな有機レーザーの実現は次世代光エレクトロニクスの重要課題であるがその実現のための学理は未だ確立されていない。本研究では分子および分子集合体構造のボトムアップ設計によってレーザー発振を駆動する励起子の形成放出増幅を高効率化することで超低閾値レーザー発振の実現を目指す。
27 バス運行と電力市場のオペレーションを考慮した EV 充放電最適化のシステム設計 東京大学 助教 前 匡鴻
研究要約
再生可能エネルギーの導入拡大や電力市場の普及に伴い、それらの変動する電力供給に合わせて電気自動車(EV)の充放電を最適化するデマンドレスポンスの活用が期待されている。本研究では、バス運行や小売電気事業者による電力市場への入札などの実際のオペレーションを考慮したEV 充放電最適化のシステム設計を行う。
28 燃料噴霧における気体流れの発達とその乱流遷移 九州大学 助教 松田 大
研究要約
自動車用次世代燃料としてe-fuel やバイオ由来燃料などの燃焼安定性確保は急務であり、噴霧燃焼における混合気形成過程を予測し燃焼特性を制御する必要がある。本研究は、申請者が開発した噴霧モデルの数値シミュレーションにより、混合気形成過程を支配する噴霧内部における気体流れの発達と乱流遷移メカニズムを明らかにする。
29 弾性体を併用した高精度成形を達成する面内曲げ部品の形状制御 東京都立産業技術研究センター 副主任研究員 村岡 剛
研究要約
本研究は、新たな面内曲げ部品成形における形状制御法を確立する。申請者の提案手法に対して、弾性体を拘束治具として併用することにより、これまで生じていた形状不安定性を解決する。本研究により、低コスト・高精度・高機能な面内曲げ部品の提供が可能となり、輸送機器・エネルギー分野などへの活用が期待できる。
30 樹脂材料の超音波スペクトロスコピーによる局所粘弾性モニタリング法の開発 大阪大学 准教授 森 直樹
研究要約
透明性や耐衝撃性に優れる樹脂は自動車など種々の機械に用いられるが、硬化過程を制御し高品質な樹脂を作製するためには製造者の経験と勘が不可欠である。本研究では、硬化中にマクロな相分離を示す樹脂に対する超音波スペクトロスコピー原理を構築し、樹脂の最適な硬化条件の同定に貢献する粘弾性測定法の確立を目指す。
31 共有視野に基づく視覚・視触覚統合型グリッパの開発 大阪大学 助教 森 佳樹
研究要約
視覚と視触覚の統合は複数カメラに依存し、グリッパの複雑化や高コスト化を招いていた。本研究では、共有視野を実現する構造設計により、視覚と視触覚を単一カメラで同時に取得可能なグリッパを開発する。視野分割方式とハーフミラー方式を検討し、より低コストかつ実用的なグリッパの実現を目指す。
32 動的構造転移を利用した自己再生型芳香族炭化水素トラップ材料の創製 茨城大学 助教 盛田 雅人
研究要約
本研究は、結晶とアモルファス間の「動的構造転移」という新現象を利用する。これにより、自動車排ガス等に含まれる有害な芳香族炭化水素を、低エネルギーで繰り返し吸脱着できる自己再生型の革新的なトラップ材料の創製を目指す。
33 微細流路を用いた次世代バイオ燃料の乳化燃料における燃焼・排気特性の解明 広島商船高等専門学校 講師 山泉 凌
研究要約
再生可能燃料である水素化植物油(HVO)と水を、微細な流路装置で均一に混ぜた微細乳化燃料を用いた実機ディーゼル機関の燃焼特性と環境性能の評価を行う。また、従来の乳化手法やベース燃料である軽油との比較を行い、高効率化と環境負荷低減を両立できる次世代燃料技術の実用化を目指す。
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過去の助成実績

所属・役職は申請時当時のまま記載しております。