助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2023年度 科学技術研究助成<一般>

(助成期間:2024年4月1日〜2025年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 メカニカルクリンチ接合の高強度化に関する研究開発 豊橋技術科学大学 准教授 安部 洋平
研究要約
メカニカルクリンチ接合は,パンチとダイにより板を変形させて異種材料を接合できるが接合荷重が高くない。そこで、自動車用車体部品のアルミニウム合金板と高張力鋼板のメカニカルクリンチ接合において、接合長さの増加、予成形、板鍛造などを利用して接合部の板材の材料流動を制御することにより接合荷重を高める。
2 多機能磁性カプセル冷媒による自励駆動冷却装置の開発 中央大学 准教授 石井 慶子
研究要約
磁性流体は、磁化の温度依存性を持つことから、温度差が生まれたときに自発的に流動する冷却装置としての応用が期待されている。しかし流動に不明点が多く実用化できていない。本研究は、カプセルに磁性材の他複数物質を封入することで、実験的に流れ場を可視化し、かつ従来の問題点を解決して実用化を目指す。
3 生物模倣による表面張力駆動ヒートパイプの開発 名古屋工業大学 准教授 石井 大佑
研究要約
空調機器や小型電子機器等に用いられているヒートパイプは、液循環効率の悪化による冷却効率低下という問題がある。本研究は、フナムシのもつ表面張力駆動の液体輸送構造を模倣した微細金属ブレード配列構造のもつ高効率な液体輸送機構により解決する。高効率冷媒循環システムが実現により、高性能な冷却機構を達成できる。
4 電気自動車普及のための全固体金属空気電池の創出 筑波大学 准教授 伊藤 良一
研究要約
リチウムイオン電池は電気自動車を160 kmしか走行させることしかできません。本研究は、リチウムイオン電池の8倍以上の電気容量を持つとされる全固体金属空気電池を用いて電気自動車を安全に500 km以上走行させられる次世代蓄電池を目指します。
5 全固体リチウム電池用固体電解質その場形成負極の生成機構の解明 九州大学 助教 猪石 篤
研究要約
全固体電池において、電極合材中の固体電解質を低減できれば実質的な容量が向上する。申請者は、リチウム挿入過程で生成するリチウム塩にイオン伝導経路を依存する「固体電解質その場形成負極」を提案している。本研究では、充放電中の生成物の生成・消失過程を詳細に観察し、その分布による充放電性能への影響を考察する。
6 電気自動車向け走行中ワイヤレス給電システムの高伝送電力密度化 東京都立大学 助教 太田 涼介
研究要約
EVの走行中ワイヤレス給電システムでは、送電コイルを道路に満遍なく敷き詰めた場合でも、送受電コイルが磁界結合せず、電力伝送できない区間ができてしまう。本研究では、送電コイルが発する磁界の垂直方向成分に加えて水平方向成分も利用することで、低コストに上記課題を解決する手法を提案・開発する。
7 人間の足裏への鉛直・水平床反力再現システムの開発 早稲田大学 研究院講師 大谷 拓也
研究要約
リハビリやスポーツトレーニング、ロボットの遠隔操縦のために、人間の運動時の鉛直・水平床反力を足裏に再現する装置を開発する。ローラを足裏に接触させ回転させる摩擦力によって水平床反力を再現する。検証実験では、鉛直・水平床反力の再現精度や、床反力を再現された被験者の重心位置推定精度を検証する。
8 指紋修復機能とヒトの触感情報処理を有する質感センサ 東京都立大学 准教授 岡本 正吾
研究要約
ヒトが物に触れたときに感じる触質感を評価する触感センサを開発する。最高峰の触感センサであっても、ヒトが感じるやわらかさと摩擦を正しく評価できない。これを克服するため、1)摩耗したセンサの指紋突起を自己修復材料で回復する機能、2)ヒトのやわらかさ知覚情報処理の最新知見に基づく質感推定機能を実現する。
9 パルス状電磁波を用いた非白金酸素還元触媒改質プロセスの創出 北海道大学 准教授 荻野 勲
研究要約
固体高分子形燃料電池用Fe-N-C触媒の合成法が進歩し、ハーフセル評価で市販Pt系触媒を超える活性が示され、単セル評価でDOE2025目標値が達成された。しかし、触媒の劣化が致命的な課題である。本研究では、パルス状の電磁波を利用してこの課題を克服し、世界最高水準の性能を発揮する材料の創出に挑む。
10 水素エンジン摺動部材への水素吸蔵が摩擦摩耗特性に及ぼす影響の解明 東京都市大学 准教授 亀山 雄高
研究要約
「その場水素チャージ摩擦摩耗試験システム」を利用した実験を通して、摺動部材に水素が吸蔵されることで摩擦摩耗特性にどのような影響を受けるのかを定量的に評価する手法を提案し、水素エンジンを想定した各種材料について、水素の影響力を評価比較する。材料への水素の侵入を抑制する表面処理の提案と効果の検証も行う。
11 準安定ω相に誘起されたラメラ組織の階層化による強靱化二相チタン合金の開発 熊本大学 教授 木口 賢紀
研究要約
申請者は、高純度Ti-6Al-4V(Ti-64)合金を低温時効し、ω変態に誘起されたナノサイズα相核生成によって新たな階層的ラメラ組織形成の可能性を見出した。本研究では、ω変態に誘起されたTi-64合金の階層的ラメラ組織形成の機構と組織制御法について調査し、より強靱化したTi-64合金創製を目指す。
12 水素内燃機関のLSPI克服に向けたオイルリング上面の油膜流動メカニズムの研究 早稲田大学 講師 菊原 浩司
研究要約
水素内燃機関の高出力化の妨げとなり、粒子状物質の発生要因となっているオイル上がりを低減するため、三片式オイルリング上面の油膜流動メカニズムを解明する。当該部の油膜厚さをLIF法により測定し、オイルリングに作用する外力、オイルに作用する慣性力およびオイルリングの挙動を用いて油膜の流動を解析する。
13 リチウムイオンバッテリーリサイクルを目指した超音波振動による付着微粉体の剥離 日本大学 教授 河府 賢治
研究要約
超音波振動を利用した混合粒子群からのリサイクルを目指した研究を行っている。本研究はその中の一つとして、リチウムイオンバッテリーのリサイクル時に問題となっているリチウムやニッケル等へのカーボンブラック付着の問題に着目し、超音波振動による粒子変形を利用した付着微粉体の剥離効果を明らかにする。
14 次世代モビリティ社会の実現に向けた重縮合硫黄ポリマープラットフォームの構築 大阪大学 助教 小林 裕一郎
研究要約
研究全体の構想は硫黄ポリマープラットフォームを構築し、原油を原料とするプラスチックの代替材料の開発による持続可能な社会構築や革新的電池材料へ応用することでの次世代モビリティ社会を実現することとする。本申請ではその基盤となる重縮合硫黄ポリマー合成法を開発することを目標とする。
15 実路⾛⾏計測データに基づく交通流シミュレータ用排出ガスモデルの構築 東京工業大学 准教授 佐藤 進
研究要約
実路を走行する自動車から排出される大気汚染物質の重量を予測するために、交通流シミュレータに適用可能な排出ガスモデルを構築する。様々な種類の自動車を対象として、小型の車載型排出ガス計測装置を用いて実路走行時の排出ガスデータを収集し、そのデータに基づき車種ごとの排出ガスモデルを作成しその精度を検証する。
16 時間応答問題に対するバイメタル複合構造体の分布系形状最適設計手法の開発 公立小松大学 教授 史 金星
研究要約
バイメタルは異なる金属の力学的・物理的性質の組み合わせにより、新たな力学性能・物理性能を生じさせることができる。本研究では、バイメタル複合構造体を設計対象とし、体積制約を考慮しつつ、時間応答問題における新たな形状最適設計手法の開発を行い、高制振性能かつ軽量化を有する工業製品の最適設計を目指している。
17 有限要素解析による小型自動車部材の腐食疲労寿命予測 東京大学 講師 白岩 隆行
研究要約
シャシーやサスペンションなどの足回り部品の腐食疲労挙動を解析するために、結晶塑性有限要素法(CPFEM)とセルオートマトン(CA)を組み合わせることで鋼材の腐食疲労挙動を高精度に予測するシミュレーションモデルを開発する。
18 複合ピーニングによる金属製機械材料の表面特性の向上 東北大学 教授 祖山 均
研究要約
機械部品の疲労特性向上や摩擦摩耗特性向上を目的として、水中パルスレーザで生成したレーザキャビテーションによる酸化被膜生成に着目して、金属製材料の表面粗さ・硬さ・残留応力などの表面特性向上に資する、「水中レーザピーニング」と「ショットピーニング」を併用した「複合ピーニング」を構築する。
19 ガス透過性多孔質金型で切り開く汎用射出成形装置を活用するプラスチック表面微細ナノ加工生産技術 富山県立大学 教授 竹井 敏
研究要約
国民生活用プラスチックの表面改質・機能発現が表面微細ナノ加工により実現でき、かつ射出成形生産時のエネルギーの削減に寄与する「成形時間」と「成形不良」を改善できる微細ナノ加工用ガス透過性射出成形多孔質金型(シーズ 多孔質なガス透過性金型)を改良・初期試作する。
20 運動学的冗長性を追加したロボット切削加工システムの高速高精度な軌跡生成法 東京工業大学 助教 田島 真吾/td>
研究要約
6軸産業用ロボットに直交2軸と回転1軸からなる3軸ステージを追加した冗長9軸切削加工システムを構築し、切削加工時の課題であるロボット手先の速度変化に対して、冗長運動自由度を活用したロボットの姿勢最適化、各駆動軸の運動制約および同期制御による、高速高精度なロボット加工を実現する軌跡生成法を確立する。
21 局所的な振動特性計測に基づく自動車タイヤの高周波帯域固有振動の実験推定 滋賀県立大学 講師 田中 昂
研究要約
自動車タイヤの振動に起因する車外騒音を低減するためには、固有振動に基づく対策が有用である。一方で、自動車タイヤはゴムを主材料とする大減衰構造であり、高周波数帯域固有振動の計測は困難である。本研究では、加振点間の局所的な振動特性計測に基づく自動車タイヤの高周波帯域固有振動の推定手法を開発する。
22 太陽光水素生成用中間バンド型光電極における物性・界面制御と応用 佐賀大学 教授 田中 徹
研究要約
従来のバンドギャップ中に中間バンドを有するZnTeO系マルチバンドギャップ半導体に着目し、ドーピングによる物性制御と光電子分光を用いた電子構造・ヘテロ界面分析に基づく物性・界面制御技術の確立により、世界で最も高い効率を有する中間バンド型光電極の実現を目指す。
23 ナノコロイドインクが拓く光積層造形:多元素化とマルチマテリアル化 広島大学 特定准教授 樽谷 直紀
研究要約
本研究では、申請者が独自に発見した金属水酸化物塩ナノ粒子の高濃度コロイド調整法と特異な熱転換反応とを駆使することで、既存研究の手法では困難であった、1)多元素化合物、2)ナノスケールでの異種材料の複合体、3)ナノスケールでの異種材料の複合体、の光造形を実現する3Dプリンティング手法を確立する。
24 金属材料における軟化・強化しない極低温接合技術の開発とそれらのメカニズムの解明 広島大学 助教 崔 正原
研究要約
金属材料(ステンレス鋼、マグネシウム合金)における軟化・硬化領域の形成を抑制する極高圧力・低温接合技術を検討・開発する。また、母材(被接合材)と完全に同等の機械的性質を有する接合継手の強化メカニズムを各種モデルで定量的に算術し、結晶学的観点から強化メカニズムを解明する。
25 オペランド表面X線分析による二酸化炭素還元触媒の活性因子決定と最適化 慶應義塾大学 助教 豊島 遼
研究要約
持続可能な資源循環の実現を目指して二酸化炭素(CO2)の資源化が求められている。金属ナノ粒子のプラズモン共鳴を利用したCO2光還元触媒は太陽光を利用した炭素循環につながる可能性がある。オペランドX線分析とナノスフィアリソグラフィによる動作原理の理解と形態制御を通してその触媒特性を最大化する。
26 潤滑油の閉じ込め挙動に関する研究 九州工業大学 助教 西川 宏志
研究要約
自動車の電動化に伴いモータの高回転化が進んでいる。歯車歯面等の接近速度が上昇することで油膜の閉じ込め厚さが厚くなり、圧力が高くなることで損傷が懸念される。本研究は垂直接近面間の閉じ込め油膜厚さの予測を可能とし損傷予側や、閉じ込め膜流出挙動から潤滑剤特性調査を可能にすることを目指す。
27 ナノカーボン材料を用いたセンサ一体型マルチモーダル物理リザバーの作製と評価 京都大学 准教授 廣谷 潤
研究要約
本研究では、細胞や人体の情報をリアルタイムで測定して診断できる低消費電力かつ高性能なセンサ一体型フレキシブル物理リザバーデバイスの創製を研究目的とする。電子工学、化学工学、機械工学の若手研究者の強連携により、生体情報を高感度に取得して情報処理を行うことができる低消費電力なデバイス開発に挑戦する。
28 複雑内側形状計測に向けた2重周期回折格子による3次元空間座標基準計測 東京大学 准教授 道畑 正岐
研究要約
本研究では、3次元形状計測精度の根幹をなす計測座標原点位置を高精度に計測し、安定化するシステムを提案する。計測の難しい複雑内面構造の寸法計測において、細長い軸状プローブを挿入する必要があるが、プローブ位置の揺らぎによる計測誤差が大きい。これを解決する測定原点位置の超高精度計測の確立を目指す。
29 リチウム酸素電池の充放電サイクルの高精度シミュレーションの構築 東京電機大学 教授 向山 義治
研究要約
最も高い理論重量エネルギー密度をもつリチウム空気電池は、電気自動車や携帯機器の蓄電池として幅広い応用が期待できる。しかし、サイクル寿命に課題があり実用化の障壁となっている。本研究では、有限要素シミュレーションを用いて放電反応の経路とサイクル寿命の関係を定量評価し、長寿命化のための設計指針を得る。
30 金属ナノ粒子触媒の表面構造と電位分布:電子顕微鏡による実測 九州大学 主幹教授 村上 恭和
研究要約
独自の電子顕微鏡技術を用いて、アンモニア合成に対して高い活性を示すCo@BaO触媒(Coナノ粒子をBaO助触媒で被覆した複合構造)の表面形態、ならびに電位分布・電気分極を実測により明らかにする。この多面的な顕微解析を通して当該触媒の活性部位を明らかにし、触媒機能の更なる向上に対する指針を示す。
31 ロゴアンテナの設計手法確立と自動最適化に関する研究 電気通信大学 准教授 村松 大陸
研究要約
ロゴは企業の顔であり製品のブランド力を高める役割がある。本研究では、ロゴ自体をアンテナ/センサとして活用するために、(1)解析/実験を併用し重要設計パラメータを選別したうえで、(2)技術者の職人感覚を設計指針として体系化し、(3)最終的に機械学習と連携しロゴアンテナの自動最適設計法を確立する。
32 SiC-BGSITカスコード素子を用いた高電力効率・高信頼性電力変換器の研究開発 山梨大学 教授 矢野 浩司
研究要約
炭化珪素(SiC)を用いた埋込みゲート型静電誘導トランジスタ(SiCーBGSIT)と、低耐圧Si−MOSFETを一体化した素子(SiCーBGSITカスコード素子)を用いた2。0kW級の電力変換回路を試作し、競合SiC-MOSFETの変換回路の課題である信頼性の低さを克服した高電力変換効率の変換回路の実現を目指す。
33 宇宙機近接運用における光度曲線を用いた相対軌道・姿勢推定手法の構築 九州大学 助教 吉村 康広
研究要約
本研究は軌道上観測のライトカーブを新たな観測量として用いることで、非協力物体とのフォーメーションフライトにおける相対軌道・姿勢推定手法の構築を目的とする。また、相対軌道環境を模擬した実験装置を製作し、実験的検証も行うことで、実環境により近い環境で提案手法の有効性を検証する。
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2023年年度 科学技術研究助成<若手>

(助成期間:2024年4月1日〜2025年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 高分子材料のケミカルリサイクルを志向した新規熱分解シミュレーションの構築 名古屋大学 日本学術振興会特別研究員PD 石田 崇人
研究要約
本提案では、炭素資源循環に向けた樹脂材料のケミカルリサイクルにおける高分子の熱分解現象を取り扱う。本研究にて、長時間ダイナミクスを現実的な計算資源で計算可能な粗視化分子動力学の枠組みを拡張し、実際の分解温度と対応する温度域で熱分解シミュレーションを行える世界初の熱分解シミュレーションを構築する
2 オイルフィルム内部流動の3次元可視化に基づく高精度壁面摩擦力分布計測技術の開発 東京理科大学 嘱託助教 市川 賀康
研究要約
本研究では、従来手法では計測困難な壁面近傍における流動のより正確な理解や予測に貢献すべく、流体が壁面と作用することで生じる壁面摩擦力を、壁面に薄く塗布した油膜内部における流動の3次元3成分流速を計測することで、高精度かつ高空間分解能で取得する方法を開発する。
3 ナノシート状金属チオラートをフィラーとした樹脂複合材料の高機能化 名古屋工業大学 助教 江口 裕
研究要約
ナノシート状の金属チオラート化合物をフィラーとして樹脂と複合化することで、樹脂複合材料の機械特性の高機能化を試みる。金属チオラートは有機配位子の選択により、その表面特性を高度に制御できる。そこで、本研究ではフィラーの分散性や界面接着性を向上させることによる複合材料の物性向上に挑戦する。
4 水素による鉄鋼の高強度・高延性化利用に向けた合金元素・加工熱処理戦略 国立研究開発法人物質・材料研究機構 研究員 小川 祐平
研究要約
水素固溶に伴う固溶強化と変形双晶促進を利用し、強度と延性の双方を向上させた革新的オーステナイト系鉄鋼材料を創成する。オーステナイト鋼の基本合金成分であるCrとNiを廉価元素Mn C Alで最大限置換するとともに結晶粒微細化処理を活用し、経済性-力学特性バランスにおいて従来鋼を凌駕する構造材料の創出を目指す。
5 非破壊検査X線3D表示における複合現実(Mixed Reality)の活用 静岡大学 特任助教 加瀬 裕貴
研究要約
本研究は、自動車部品等の工業向けの非破壊検査において、複合現実を使用し、被写体の内部状態を三次元的に自由な位置・方向から確認でき、容易にポインティング可能なシステムに向けて基盤技術の構築を行う。使用者は実際に手で被写体を掴むかのように内部構造の瑕疵や損傷を、断面を見ながら確認することが可能となる。
6 燃料アンモニアの燃焼特性改善に向けたデトネーション燃焼実証 静岡大学 准教授 川崎 央
研究要約
カーボンニュートラル実現のための燃料アンモニアの利用技術の発展に資することを目的として、アンモニア燃焼の最も大きな課題となっている、燃焼速度の遅さ、および、排出窒素酸化物濃度の高さの解決を、デトネーション(爆轟)燃焼の利用により目指す。最初期段階として実験を行い、デトネーション燃焼状態を確認する。
7 金属ナノ構造を利用した革新的ポリマー固相成膜法の開発 東北大学 助教 齋藤 宏輝
研究要約
金属/ポリマー異種材接合に及ぼすナノ~ミクロスケールの微細な金属表面構造の影響を明らかにし、ポリマー材料の高速な固相成膜および接合強度向上を実現する技術基盤を構築する。この基盤をもとに、高性能・多機能化の進むポリマー材料の迅速な社会実装を支える革新的な材料プロセスの創成に挑戦する。
8 大規模宇宙輸送のための時間変動を付加した磁気ノズルプラズマ推進機の実証と性能評価 東京大学 助教 関根 北斗
研究要約
大規模宇宙輸送時代に求められている磁気ノズル推進機の実用化のためには、プラズマを適切に閉じ込め、適切に離脱させる、局所制御技術が必要である。本研究では、変動磁場により磁気ノズルを時間的/局所的に”揺らす”という発想によって、プラズマ制御に関する画期的な手法の確立と宇宙推進機としての新展開を目指す。
9 三相モータ駆動システムにおける入出力コモンモードノイズキャンセル技術の開発 秋田大学 講師 高橋 翔太郎
研究要約
近年設けられた9 kHzから150 kHz帯の電磁ノイズに対する新規格によって、電力変換器用ノイズフィルタの大型化が懸念されている。本研究では、PWMインバータを用いた三相モータ駆動システムを対象とした、入出力コモンモードノイズキャンセル技術を開発し、小型・軽量かつ効果的なノイズ抑制法の実現を目指す。
10 細胞イメージング操作の完全自動化を目指した全自動マイクロマニピュレータの開発 宇都宮大学 助教 田畑 研太
研究要約
細胞イメージングは、細胞の多様な現象を探る手法で、組織を蛍光でラベリングして観察する。しかし、細胞操作は微小空間かつ複雑な力学場で行われ、自動化は困難である。本研究は、工学的なアプローチに基づいて細胞操作の完全自動化を目指す。特に単細胞の操作の自動化を初期段階の目標として、実験コスト削減を目指す。
11 非対称型ランダム振動を受ける振動エナジーハーベスタの出力電力解析技術の開発 東京工業大学 助教 土田 崇弘
研究要約
振動エナジーハーベスタ(VEH)は、身の回りの振動を利用して発電するシステムであり、低消費電力機器への電源供給技術として注目されている。本研究では、風圧や浅海波に代表される非対称型ランダム振動を受けるVEHを対象に、多様な非対称性をもつランダム振動に適用可能なVEHの出力電力の解析手法を世界で初めて開発する。
12 センサフュージョンによる簡易的疲労推定システムの構築 苫小牧工業高等専門学校 准教授 土谷 圭央
研究要約
作業時間が増加するにつれて起こりうる負担である疲労に着目しする。疲労感を個人によってことなるため、姿勢や動作を計測することによって身体内部情報である疲労を可視化することを目標とし、複数のセンサを組み合わせることで簡易的疲労推定システムを構築する。
13 がん検査用PET装置の解像度向上に向けた高速応答計測材料の開発 奈良先端科学技術大学院大学 特任准教授 中内 大介
研究要約
がん検査用のPET装置ではγ線計測用シンチレータ材料の応答速度が向上するほど、同じデータ量でS/N比の高い画像を得ることが可能となる。本研究ではヨウ化物をベースとした有機無機ペロブスカイトの開発および組成の最適化を行うことで、従来品と同等の発光量ならびに1 ns以内の高速な応答速度を達成することを目的とする。
14 自然で安全なヒトとの触覚インタラクションを実現するタッチロボットシステムの開発/td> 神戸大学 助教 永野 光
研究要約
ヒトとヒトの触れ合いは安心感などの様々な感性的価値を創出する。本研究では、ヒトに代わり自然で安全なタッチを実現するロボットシステムの構築を目指し、柔軟性を有するヒト指機構と接触力学習型の動作生成モデルを開発する。
15 気相燃焼反応を用いた酸化スズ系熱線遮へい材料の開発 広島大学 助教 平野 知之
研究要約
熱線遮へい材料は、可視光域の透明性を保ちながら、太陽光中の近赤外線を選択的に吸収できるという特徴をもつ。本研究では、化学組成と粒子サイズが精密に制御された酸化スズ系熱線遮へい材料の合成を目的として、申請者が独自に開発した火炎装置を用いたナノ粒子生成システムの構築を行う。
16 チップスケール多波長発光素子に向けたInGaN系マイクロ構造の設計モデル構築 京都大学 特定助教 松田 祥伸
研究要約
本研究の目的は、申請者が独自に提案するマイクロ構造に基づく多波長発光ダイオード(LED)において、所望の発光スペクトルに最適なマイクロ構造を設計する学理と計算モデルを構築することである。具体的には、InGaN系マイクロ構造の三次元形状、発光層の構造分布、発光特性分布の相関を詳細に解析し、設計指針を獲得する。
17 電磁誘導試験を用いた炭素繊維強化プラスチックの吸湿率測定原理の解明 京都大学 助教 松永 航
研究要約
本研究では、有限要素解析及び実験により、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の吸湿率測定に対する電磁誘導試験(EIT)の測定原理を解明する。EITを適用する際の励磁周波数と、吸湿したCFRPの誘電率、導電率の関係を実験的に取得し、それらがEITの出力に与える影響を数値解析及び実験を用いて検討する。
18 三次元の「モノの動き」の予測モデルの開発とロボティクス応用 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究員 元田 智大
研究要約
本研究は物理的な運動の予測を活用したロボットの行動計画を提案する。動きの予測は次の行動を決定する際に重要である。一方、ロボットの操作には三次元認識が必要だが、従来の予測モデルは二次元画像に限定されている。そこで、三次元データを入力とした動きの予測モデルを開発し、より高度なロボットの操作を実現する。
19 車体軽量化を実現する異種材料分子接着高分子の開発 大阪大学 特任助教 山岡 賢司
研究要約
マルチマテリアル化による車体軽量化・環境に配慮した材料設計を実現するため、研究室独自のホスト-ゲスト包接錯体を用いた架橋設計を高分子に導入する。相反する異種材料界面における強固な接着力と易解体を申請者の強みである高分子粘弾性・界面構造解析に基づき、機能発現を達成する。
20 バイオマス/プラスチック複合材料の燃焼挙動予測モデルの開発 豊橋技術科学大学 助教 山崎 拓也
研究要約
近年、環境低負荷な植物由来の繊維/プラスチック複合材料の実用化が期待されている。しかしながら、そのような複合材料に対し、机上で火災安全性を予測する方法はなく、燃焼試験に頼らざるを得ない。安全な材料選定の効率化や燃焼試験コスト削減のため、複合材料の燃え拡がり速度を予測するモデル開発を試みる。
21 免荷型空気式パワーアシスト装置を用いた歩行リハビリ支援システムの開発と身体負担メカニズムの解明 岡山理科大学 助教 横田 雅司
研究要約
我が国では少子高齢化が進み、歩行リハビリ支援システムの重要性は年々増す一方である。本研究では、免荷型空気式パワーアシスト装置を用いた小型歩行リハビリ支援システムを開発する。また、歩行支援時に生ずる身体負担のメカニズムを解析および検証実験の両側面から明らかにし、制御手法と支援方法の最適化を検討する。
22 広帯域・全方位深部撮像が可能な自己放射・自走式のカーボンナノチューブ膜型ミリ波-赤外光内視鏡の創出 中央大学 助教 李 恒
研究要約
交通設備を中心に、全国でインフラの老朽化が問題視されている。これを受け本研究では、自動走行ユニットに対して申請者の独自技術である「シート状のミリ波-赤外光撮像システム」を実装することで、360°深部透視モジュールを創出する。また、それらを基に、交通・流通と調和する非破壊検査プラットフォームへと展開する。
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過去の助成実績

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