助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2017年度 科学技術研究助成

(大学名等および役職は申請時のもの)

指で左右にフリックしてご覧ください。
研究課題 大学名等 役職 氏名
1 希土類元素含有高強度アルミニウム合金の開発 豊橋技術科学大学 助教 青葉 知弥
研究要約
巨大ひずみ加工による種々の合金の超高強度化が達成されているが、指先サイズの小さな試験片であり実用的でない。実用サイズの高強度バルク材が作製可能な多軸鍛造法により超微細粒 Al 合金を作製し、その時効析出挙動を理解し、引張強度 700MPa 級と均一伸び 10 %を有する実用サイズの高強度 Al 合金開発を実現する。
2 エンジンの燃焼室壁面から蒸発する潤滑油消費に関する研究 東京都市大学 准教授 伊東 明美
研究要約
エンジンの潤滑油消費を予測する計算手法の確立は重要な課題である。その一環として、シリンダ壁に付着した油の蒸発メカニズム解明を図る。独自開発の蒸発試験器により混合物である油の蒸発特性を明らかにする。さらに、シリンダに付着した油膜厚さの測定手法を開発し、実機における実際の蒸発の状況を調べ、計算を試みる。
3 協調動作に着目したドライバの異常状態の検知 —運転行動にリズムはあるか?— 徳島大学 講師 伊藤 桃代
研究要約
本研究では、ドライバの運転行動における視線、顔向き、車両操作量を観測し、グラフィカルガウシアンモデルを用いて運転行動のリズムの乱れに着目した異常状態(注意散漫状態)の検出を目指す。本研究は、ドライバの状態推定に基づく予防安全技術、および自動運転における安全な権限委譲の実現につながる技術の開発を行う。
4 ソルボサーマル法による高機能環境浄化触媒材料の創製 群馬大学 准教授 岩本 伸司
研究要約
申請者は、原料成分を有機溶媒中で加熱処理するという独特な無機材料合成法(ソルボサーマル法)について種々研究を進めている。本研究では、ソルボサーマル法の特徴を最大限活用することで、従来品を凌駕する高機能な新規ナノ触媒材料を新たに創製し、環境浄化触媒として大幅な特性向上を目指す。
5 レーザを用いた金属材料の3Dプリンタ技術の現象理解と最適化のための多相流解析 東京工科大学 講師 大久保 友雅
研究要約
金属粉末を材料とした3Dプリンタ技術について、レーザと粉末との相互作用の計算及び、相変化による圧変化と固体液体気体の三相を同事に計算する手法を開発し、大規模計算のための計算プログラムの実装を行い、スパッタの飛び方や表面荒さと言った実際の加工に重要な現象を説明、把握することを目指す。
6 マルチマテリアル化のための実用高強度アルミニウム合金と鋼の異材接合技術の開発 大阪大学 准教授 小椋 智
研究要約
本研究は鉄鋼材料よりも高い強度を有する実用高強度 900MPa 級 Al 合金を用いることで、鋼母材破断を有する従来と比べて著しく高い継手強度をもつ Al 合金/鋼の異材接合技術を開発することを目的とする。摩擦プロセスと熱処理を併用して接合界面の組織制御し、未解明であった Al 合金/鋼の母材強度と界面強度の関係を明らかにする。
7 凝固過程制御によるステンレス鋼の溶接割れ発生防止と特性制御 大阪大学 准教授 門井 浩太
研究要約
本研究では、ステンレス鋼溶接時の凝固・組織形成現象や、これらが溶接凝固割れ感受性や耐食性に対する影響を明らかにする。これを基に割れ発生防止や機械的特性向上に有効な凝固現象・組織形態を見出すことで、割れ発生のない健全かつ所望の特性を有する溶接部を得るための組織制御法や材料設計指針の構築を目指す。
8 磁性流体シールド型スラスト軸受けを搭載した電磁駆動マイクロポンプの開発 日本工業大学 准教授 加藤 史仁
研究要約
手の平サイズの医用分析システムとして知られる Lab-on-a-chip 向けマイクロポンプを開発する。Lab-on-a-chip と直接接合が可能で、軸受け中への溶液進入を防ぐために磁性流体シールドを施したスラスト軸受け機構を有し、電磁駆動で送液ブレードを非接触に回転させるため、摩擦粉が溶液中に混ざることなく、無脈動の安定した送液が可能となる。
9 弾性的拘束を利用した準安定斜方晶相 ZrO2-HfO2新奇強誘電体薄膜の創製 東北大学 准教授 木口 賢紀
研究要約
固相エピタキシー法で新奇準安定 ZrO2-HfO2薄膜を作製し、その強誘電性斜方晶相安定性に及ぼす弾性場の効果とドーパントの効果を解明し、強誘電性斜方晶相の安定化、ドメイン配向制御の微視的機構および強誘電特性向上のための学理の究明、ならびに来たるべき IoT 社会に資する強誘電性発現の指導原理確立に挑む。
10 次世代車載用パワー半導体基板の高能率加工方法 熊本大学 准教授 久保田 章亀
研究要約
本研究では、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドを用いた次世代車載用パワー半導体の実現に向けて、紫外光やオゾンの化学的作用を援用した新しい加工方法を開発し、半導体デバイス作製時に必要とされるダメージフリーな高品位な SiC や GaN 表面を実現する。
11 学習ロボットにおける知識の再利用度合いオートチューニング手法の開発 東京工芸大学 助教 河野 仁
研究要約
近年、Deep learning や強化学習などで学習の効率を高めるために、過去に獲得した知識を再利用する手法が提案され、自律ロボットなどへの実装もなされている。しかし、過度に知識を再利用すると新たな環境に適応できない。本研究では、知識の再利用度合いをタスクやエージェントの類似性を基に自動で算出する手法を開発する。
12 機械学習を用いた燃焼不安定の早期検知技術の開発 東京理科大学 准教授 後藤田 浩
研究要約
人口知能論の進展は目覚ましく, 機械学習を用いた異常検知技術に寄せる期待は高まっている. また, 非線形科学の分野では, スモールワールド性・スケールフリー性をキーワードとした複雑ネットワークの体系化も進みつつある. 本研究では, 機械学習と複雑ネットワークを融合させた燃焼不安定の新たな早期検知技術を開発する.
13 結合発振器の同期現象を活用した車両群の自己修復フォーメンション制御 大阪府立大学 教授 小西 啓治
研究要約
複数の発振器を相互に作用させると、様々な同期現象が自己組織的に生じる。応募者らは、各車両に発振器を組込み、同期現象による車両群のフォーメーション制御を試みている。本研究では、自己組織的に創発されたこのフォーメーションにおいて、車両の故障・追加に対する自己修復能力を解析的かつ実験的に調査する。
14 極微小サンプル試験片による高温部材のクリープ強度および余寿命評価法 千葉大学 教授 小林 謙一
研究要約
新規開発中のガスタービン翼・薄肉部や燃料電池・筺体湾曲部など、従来のクリープ試験片を採取できず、正確なクリープ強度や余寿命を判定できない。本研究では、通常試験片の約 1/300 以下の体積の微小クリープ試験片を用いて、極微小部位の高温クリープ強度を求めると共に、合理的なクリープ余寿命診断法を提案する。
15 レーザー超音波を用いた定量的 visualized 非破壊検査システムの開発 群馬大学 准教授 斎藤 隆泰
研究要約
機械材料・構造物等の安全性の診断に超音波非破壊検査法が広く利用されている。しかしながら、現状では、検査員の熟練度に依存する定性的な方法に他ならない。そこで、本研究では、検査対象物中の超音波散乱波動場を全可視化しながら非破壊検査を行う visualized 非破壊検査法と呼ばれる新しい検査手法を提案する。
16 自動車エンジン用ばね鋼の超高サイクルねじり疲労強度に及ぼす平均ねじり応力の影響の評価 静岡大学 教授 島村 佳伸
研究要約
自動車エンジン用ばね鋼では 107 回以上の繰返しねじり荷重の作用による疲労破壊の発生が懸念されるが、従来の試験機では 1 年超の評価時間が必要となり実用的でない。そこで本研究は、申請者が開発した迅速ねじり疲労試験装置を用いて、実際の力学条件を模擬した状態で超高サイクルねじり疲労強度の評価を行なう。
17 “材料組織構造”と“微細表面構造”に着目した次世代CBN 工具の開発 大阪大学 講師 杉原 達哉
研究要約
近年様々な分野で需要が急増しているニッケル基超耐熱合金は、加工が極めて困難な難削材であり、これらを高速・高精度で加工する技術の確立が強く求められている。本研究ではこの現状を打破するために、“CBN 工具の材料組織構造”と“CBN 工具の微細表面構造”という二つの側面からのアプローチを行うことによって、ニッケル基合金の超高速切削加工を可能とする革新的な次世代 CBN 工具の開発を目指す。
18 FMEA、FTA、HAZOP を連携させた組込み制御ソフトウェアの安全性解析手法 山梨大学 教授 高橋 正和
研究要約
代表的な安全性解析手法である FMEA、FTA、HAZOP を組込み制御ソフトウェアに適用するための手法、およびそれらを連携させた高度な安全性解析手法を確立し、安全な組込みソフトウェアを開発できるようにする。さらに、それらの手法を自動車業界、医療機器業界等の組込みソフトウェアに適用し、妥当性を評価する。
19 相変化マイクロカプセル懸濁液を利用した振動型熱輸送管の開発研究 千葉大学 教授 田中 学
研究要約
近年の電子機器等における発熱密度の増大に対処する新たな高効率熱輸送デバイスとして、作動流体に相変化マイクロカプセル懸濁液を利用した振動型熱輸送管を開発する。相変化マイクロカプセルによる潜熱輸送の効果を最大化するために、振動流の周波数・振幅等の設計パラメータを最適化する。
20 ハイブリッド融着接合法による熱可塑性 CFRP と金属の融着接合挙動の評価 和歌山工業高等専門学校 助教 田邉 大貴
研究要約
本研究は、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(熱可塑性 CFRP)と金属等との異種材融着接合プロセスを新たに提案し、マルチマテリアル化が求められる自動車や産業機器分野に貢献することを目的とする。申請者がこれまでに提案してきた電気式融着接合を高度化し、金属等の異種材と熱可塑性 CFRP との融着接合挙動を明らかにする。
21 高耐久酸化物担体の高速低温合成とこれを用いた全酸化物燃料電池触媒の高性能化 弘前大学 准教授 千坂 光陽
研究要約
燃料電池車の生産台数は年間数千台に留まる。本研究は、現行白金-コバルト担持炭素触媒の希少性・低耐久性を解決することにより、その本格普及に貢献する。上記二課題を同時解決するため、近年申請者らが開発した全酸化物触媒の高比表面積化と組成制御を、新規に導入する高速昇温炉とガスラインを用い同時に実施する。
22 乱流予混合火炎の光学計測における革新的な精度向上を目指す DNS 数値計測 岡山大学 助教 坪井 和也
研究要約
自動車等に用いられる内燃機関で発生する乱流予混合火炎をレーザ等で光学的に測定する際、さまざまな要因による誤差が生じる。当申請研究では、厳密な計算が可能な DNS(直接数値シミュレーション)を用いて光学計測を数値的に実行し、計測精度の飛躍的な向上に必要な、計測手法や条件等を定量的に検討し、その指針を与える。
23 能動的流れ制御技術を用いた3次元ブラフボディに作用する空気力の安定化 広島大学 助教 中島 卓司
研究要約
走行する自動車を想定した地面効果中を進行する3次元ブラフボディにおいて、外乱影響や形状特性によって生じる不安定ないしは双安定な空気力特性を対象に、これを選択的に安定化するアクティブ空力制御技術について実験と数値解析の両面から検討し、同技術の確立を目指す。
24 Li 金属二次電池用 Li デンドライト析出検知セパレータの析出検知過程の可視化 早稲田大学 准教授 奈良 洋希
研究要約
Li金属二次電池用デンドライト析出検知セパレータの開発において、検知機構を明らかにすべく、デンドライト析出検知過程を可視化する必要がある。本研究では、デンドライト析出初期から析出検知までの過程をオペランドで断面観察可能なセルを用いて追跡し、電圧変化によるデンドライト析出検知までの過程を可視化する。
25 1指駆動形インテリジェント装飾電動手指義手の研究開発〜ステアリング操作によりドライバビリティを実感できる新たな義手を目指して〜 静岡理工科大学 准教授 野﨑 孝志
研究要約
手指の欠損が生じた場合、電動手指義手を使用することで、機器の操作も可能になる。しかし現在は、人間が意図する随意運動を可能にし、かつ機器の状態を実感することのできる手指義手は少ない。そこで、伸縮センサ、セルフロック機構、及び把持制御を採用し、自動車運転を実感できる従来にない手指義手の研究開発を行う。
26 乱流熱流動場における革新的トポロジー最適化手法の開発と実証 東京大学 准教授 長谷川 洋介
研究要約
本研究では、熱流体数値シミュレーションと最適化数理を融合することにより、革新的な形状最適化アルゴリズムを開発し、これを熱交換器に適用する。本計算により得られた最適形状を 3D プリンタにより制作し、最適化された伝熱面形状の伝熱・圧力損失特性を風洞実験により実証する。
27 アモルファス合金ナノ粒子の創製と自動車触媒・電子実装への応用 東北大学 准教授 林 大和
研究要約
合成が困難なアモルファス合金ナノ粒子に関して、コストと環境性が両立したサステナブルな合成プロセスを実現し、高性能な自動車触媒・車載用実装材料への応用を行う。アモルファス化やナノ化のメカニズムを解明し、組織構造がどのように機能するか検討し、高性能なアモルファス合金ナノ粒子の設計応用指針を確立する。
28 ラマン分光法を用いたプラスチック材料の非破壊劣化診断技術の開発 金沢大学 助教 比江嶋 祐介
研究要約
本研究では、劣化初期段階で起こる微視的な構造変化をラマン分光法により捕捉し、プラスチック材料の劣化診断を実現する。多様な条件で劣化させた試料に対して、ラマン分光測定と合わせて、高次構造を複眼的に観察することで、プラスチックの劣化現象を包括的に理解し、非破壊非接触の普遍的な劣化診断法として確立する。
29 多次元情報からの知識獲得による自動車乗員拘束システム設計の高度化 山梨大学 助教 堀井 宏祐
研究要約
自動車乗員保護システム設計において広大な探索空間の大域的な探索を行い、その計算結果を基に多次元設計情報可視化を行う。これにより設計変数と安全性能の複雑な相互作用関係とトレードオフ関係を視覚化し、定性的な設計知識を得る。また、これまでの研究成果と融合して革新的な設計手法を確立する。
30 永久ヒューズ用導電フィラー分散ポリマーに関する研究 大阪市立大学 教授 堀邊 英夫
研究要約
伝導フィラーをポリマーに分散した伝導性複合材料は、温度に対し急激に電気抵抗が増大するため永久ヒューズ用材料となるが、さらなる低効率の低減が求められている。ミクロ相分離させた結晶性/結晶性ポリマーアロイにフィラーを一方の結晶性ポリマーに局在化させることにより、低効率を従来より約 1/50(0.04Ωcm)に低減する。
31 燃費向上を指向したファインバブル含有燃料の定量的評価 静岡大学 教授 間瀬 暢之
研究要約
産業用多用途内燃機関であるディーゼルエンジンの燃費改善が達成されれば、その省エネ効果はグローバルに大きい。内燃機関そのものではなく内燃機関用燃料の開発という戦略により、燃焼に必要な酸素をナノサイズのファインバブルで高濃度にワンパス分散させ、気泡を核とした燃料微粒子燃焼効果により燃費を 10%以上改善する。
32 異方性CFRP積層板の落錘衝撃アシストによるパンチプレス加工法の開発 香川大学 講師 松田 伸也
研究要約
異方性CFRP積層板に対して実験および力学的解析を通定量 的にパンチプレス加工品位に及ぼす落錘衝撃効果を解明ること目的。 改良した試験装置によって加工した穿孔に対して、加工品位と加工中の力学的パラメータ(弾性エネルギや吸収エネルギ)との関係より錘質量や衝撃速度効果を定量的に解明する。
33 高齢者の自律神経機能モニターによる交通事故と心血管イベント発症予防 東北大学 教授 山家 智之
研究要約
高齢者の事故多発が問題になっている。運転中の心血管機能、自律神経等、医学情報を計測して、定量診断してデータベース化できれば、認知機能の影響による事故を予防し、心血管イベントを予防することができる。更にネットワークで、交感・副交感神経を、「証」に応じ刺激することで、安全な高齢者の運転環境を具現化する。
34 予混合圧縮着火機関におけるシリンダ内イオン電流分布の計測 北九州市立大学 教授 吉山 定見
研究要約
イオンセンシング技術を HCCI 機関の燃焼診断に適用するためには、予混合圧縮着火燃焼時の熱発生過程とイオン電流分布との定量的な関係を調査する必要がある。明確な運転条件のもとでイオン電流分布を測定する手法を確立し、運転条件がイオン電流特性に及ぼす影響を明らかにする。
指で左右にフリックしてご覧ください。

過去の助成実績

所属・役職は申請時当時のまま記載しております。