助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2021年度科学技術研究助成<一般>

(助成期間:令和4年4月1日〜令和5年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 短時間で疲労特性を向上するためのキャビテーション加工法の開発 東京都立大学 助教 井尻 政孝
研究要約
近年、電気自動車が開発され普及しているが、バッテリーが重いことから車体の重量増加を引き起こしている。車体の重量を減少するためには軽量材の使用、車体に使用されている鋼材の軽減が必要である。本申請では環境に易しい金属表面加工により短時間で鋼材の疲労特性が改善可能な技術の開発を目的とする。
2 次世代精密アクチュエータによる高性能xyナノポジショナの開発 福井大学 准教授 伊藤 慎吾
研究要約
広可動範囲、広帯域及び高加速を実現する2 軸のナノポジショナを提案し実証する。革新的なハイブリッドリラクタンスアクチュエータより、x 軸とy 軸が干渉しない高推力を作り出し、可動子の高速精密動作を実現する。このナノポジショナにより、原子間力顕微鏡は現行の性能限界を打破し、製造産業で新たな用途を創造する。
3 マルチモーダルモビリティ情報基盤を活用した包括安全制御の研究 東京大学 講師 伊藤 太久磨
研究要約
生活道路での交通事故防止を目的として、自動車や歩行者、自転車やパーソナルモビリティ等の各種モビリティを対象に、マルチモーダルモビリティ情報基盤が統合管理する移動情報を活用し、交通事故防止の観点から対処行動が可能なモビリティに対してネットワーク経由で制御介入を行う包括安全制御システムの開発に取り組む。
4 フッ化物系リチウムイオン伝導体の探索と超高電圧全固体電池の作製 九州大学 助教 猪石 篤
研究要約
既存の電解質の中でも、液系・固体系含めてリチウム基準で5 Vの耐酸化電位を有する材料が存在しない。本研究ではイオン伝導性が高く、かつLi基準で5 V以上の高電位でも安定なフッ化物系リチウムイオン伝導体を探索し、それを用いて5 V以上の高電位正極を「安定に使える」全固体電池を作製する。
5 特殊形状電極を用いた抵抗スポット溶接によるFe-Al異材接合法の開発 大阪工業大学 准教授 伊與田 宗慶
研究要約
本研究は、抵抗スポット溶接の異種材料に対する新たな可能性を模索する研究の一つとして、鋼材料とアルミニウム合金材料を対象とした抵抗スポット溶接において、凹凸電極により凹形状の接合界面を形成し、IMCの形成分布を制御することで、鋼–アルミニウム合金異材接合継手の十字引張強さ向上を達成するものである。
6 再生医療とロボットリハビリテーションに関する研究 秋田大学 教授 巖見 武裕
研究要約
本研究では、脊髄損傷者を対象とした下肢および上肢リハビリテーション用の新しいロボットを開発し、ロボットリハビリテーション単独での機能回復の可能性を探る一方、再生医療とロボットリハビリテーションを組み合せた効果検証を行う。さらに、機能的電気刺激(FES)を併用することでより有効性を高める試みを行う。
7 メタ表面を利用した革新的シリコン系赤外イメージセンサの基礎研究開発 茨城大学 教授 鵜殿 治彦
研究要約
IoTやAI の活用により、機械が自動で情報を取得・認識・判断して各種サービスを提供する時代が来ている。本研究は、『機械の目』としてCO2やNOXなど環境分析が可能な汎用普及型の赤外イメージセンサを資源・環境リスクが少なく安価なシリサイド半導体膜で開発することを目的に、その核となる技術検証研究を行う。
8 マイクロ超音波モータの自律動作のためのシリコン/窒化物半導体集積回路 豊橋技術科学大学 教授 岡田 浩
研究要約
外部の電源や制御回路がなく自律動作可能な数mmサイズの超小型の精密アクチュエータの実現は、自動車、産業、医療分野等で大きなインパクトがある。本研究では、超小型の超音波モータを駆動する小型・高効率なシリコン/窒化物半導体集積回路を開発し、自律システムを目指す。
9 ヒートチェックに優れたダイカスト金型の開発 岡山大学 教授 岡安 光博
研究要約
最近、研究代表者は、ダイカスト金型のヒートチェックに水素脆化が関係していると報告している。また、高張力鋼の組織を制御し、水素脆化に強い素材を提案している。特に水素脆化の抑制には水素トラップの組織制御が有効としている。本研究では、この組織制御技術を金型材料に導入し、ヒートチェックに強い金型を開発する。
10 究極の軽量車体骨格の開発 東海大学 講師 窪田 紘明
研究要約
超高張力鋼板を用いて究極の軽量自動車ボディーを開発するためには、成形技術に加え設計技術の開発も重要である。本研究では、高強度薄板材まで適用可能な断面耐力計算式、骨格に開けざるをえない穴の無害化技術、レーザー溶接部の強度設計技術の開発を行い、最軽量構造を得る手法を理論的に明確化する。
11 次世代パワーデバイス向け高耐熱性実装のための金属ナノ粒子焼結接合材の研究 早稲田大学 助手 小柴 佳子
研究要約
Niナノ粒子とAlマイクロ粒子をハイブリッドした高耐熱・高耐食・低温接合性・応力緩和性を特長とする“Ni-Al接合材”を開発し、従来の半導体実装材である“はんだ”に替わる、次世代SiCパワーデバイス向け新規高耐熱実装材料としての適用を目指す研究を行う。高耐熱実装の実現はパワーデバイスの高性能化・小型化に寄与する。
12 自動車二次資源からのレアメタルの高効率リサイクルプロセスの開発 九州大学 教授 後藤 雅宏
研究要約
本研究では、環境調和型の抽出剤(イオン液体ならびに深共晶溶媒)を、自動車二次資源からのレアメタル回収に応用することによって、SDGSの理念に基づいた環境負荷を低減したレアメタルのリサイクルプロセスを構築する。自動車触媒及びLiBのリサイクルに、この環境調和型レアメタル分離回収技術を適用する。
13 ばね鋼の超高サイクルねじり疲労き裂の発生挙動とその発生機序の解明 静岡大学 教授 島村 佳伸
研究要約
自動車エンジン用ばね(ばね鋼を使用)には107 回を超える繰返しねじり応力が作用し疲労破損する場合があるが、その疲労き裂の発生機構はいまだ明かではない。そこで、迅速ねじり疲労試験機による疲労試験を定期的に中断して行う試験片表面の詳細観察などにより、ばね鋼のねじり疲労き裂の発生挙動と発生機序の解明を試みる。
14 有機電子デバイスを構成する有機膜中の分子配向同定技術の確立 金沢大学 教授 當摩 哲也
研究要約
有機電子デバイスを構成する有機薄膜中での分子配向の同定は結晶性が低いアモルファス性のためX線による評価ができない。本提案では、真空蒸着で申請者が培った赤外反射吸収分光による膜内の分子配向・ナノ構造評価手法を導入し、有機膜内部構造の解明を行う。
15 超高感度磁気センサ用いた位相検波方式微小鉄粉検査装置の開発 豊橋技術科学大学 教授 田中 三郎
研究要約
超高感度磁気センサを用いて電子部品産業で用いられる高機能粘着テープに付着したΦ10~100μmの微小鉄粉を検出する技術を開発する。具体的には磁気センサの超高感度性能に加えて、位相検波技術を適用することでこれまでにない画期的な微小鉄粉検査装置に結実させることで、国民生活における利便の増進に資する。
16 小型自動車の車両軽量化推進に貢献する金属と樹脂の異材接合技術の開発 大阪産業技術研究所 主任研究員 田中 努
研究要約
本研究の目的は、小型自動車に適用可能な金属と樹脂の車両軽量化接合材を提供することである。接合界面にアンカー効果を最大限に引き出す形状を付し、材料間の接着力を強化する表面処理を施すことにより、低コストかつ高い信頼性を実現できる新しい異材接合技術を開発し、安心・安全かつ豊かな国民生活の持続的発展を図る。
17 超低圧半溶融成形法による異方性鋳造ネオジム磁石の作製 産業技術総合研究所 研究チーム長 田村 卓也
研究要約
申請者らは、これまで実現できなかった異方性鋳造ネオジム磁石の作製に成功しつつある。本研究ではこの合金を実用化させるため、半溶融成形法による異方性鋳造ネオジム磁石の作製プロセス開発を行う。この成果により、安価かつ市販ネオジム磁石に匹敵する高性能な磁石を社会に提供することができる様になると考えている。
18 微細拡張流路内低キャピラリー数領域におけるスラグ流の薄液膜蒸発特性に関する研究 福井大学 准教授 党 超鋲
研究要約
高熱流束電子機器冷却に対応するための微細拡張流路内低キャピラリー数域におけるスラグ流の薄液膜蒸発特性の実験計測と理論的解析を行うことで、微細拡張流路内の蒸発伴う液膜の動的な変化特性を定量的に把握し、流動安定化及び伝熱性能向上に寄与する流路形状の最適化設計と自己吸引流動沸騰のメカニズムの解明を行う。
19 eVTOL(電動垂直離着陸機)用可変ピッチ・プロペラ機構の研究開発~ 空飛ぶクルマ高効率飛行のための基盤技術の研究開発 静岡理工科大学 教授 野﨑 孝志
研究要約
本研究は、従来にないeVTOL(電動垂直離着陸機)用可変ピッチ・プロペラ機構に関するものである。eVTOLとは垂直離着陸が可能な航空機であり、将来空飛ぶクルマの主流となり得る。本機構をeVTOLに適用することで、航続距離を大幅に延長できる。本申請では、実験機の試作、軽量化、プロペラの最適化、及び飛行特性解析を推進する。
20 ペルチェ効果を利用した熱電変換材料性能評価の国際標準化 埼玉大学 准教授 長谷川 靖洋
研究要約
カーボンニュートラルの実現を目指す一環として、内燃式自動車からの熱回収を目的とした熱電変換現象に注目している。民生応用を図るため、熱電変換現象特有のペルチェ効果に着目し、0.1%の高確度、2 分程度の短時間で熱電変換材料・モジュールの性能評価が可能な手法を提案・実証し、国際標準化への展開を試みる。
21 繰り返し放電誘起流動を活用した燃料希薄環境下における点火促進 京都大学 准教授 林 潤
研究要約
CO2の排出低減には、燃料が極めて希薄な条件における確実な点火を行う必要がある。本研究では、燃料希薄かつ高乱流条件において確実に点火を達成するために、繰り返し放電によって誘起される点火直前の局所的な流動が点火過程に影響する範囲との関係を明らかにすることで、希薄条件における安定点火条件の拡大を目指す。
22 希少金属の有効利用を志向した貴金属ナノ粒子の自発的複合化現象の解明と応用 静岡大学 教授 平川 和貴
研究要約
応募者は、銀と白金族等の貴金属ナノ粒子が自発的に複合化する現象を発見した。そのメカニズムを解明して応用することで新たな金属ナノ粒子を開発する。比較的安価な銀を用いることで希少貴金属の量を1/5程度まで削減でき、さらに複合化により燃料電池材料や有害物質を除去する触媒の活性が大幅に向上する可能性がある。
23 ユーザの興味と施設の評判に基づく訪問地推薦システムの開発 山梨大学 教授 福本 文代
研究要約
GPS 搭載モバイル端末の急速な普及により、ソーシャルネットワークを活用することにより訪問地を推薦する研究は、国民生活における利便性の増進に資することから、近年、高い関心が寄せられている。本研究は車載を目的とし、ユーザの興味と訪問地の評判を同時に推定し、お勧めの訪問地を提示する手法を開発する。
24 自動車運転時の音声言語情報による煩わしくない注意喚起の研究 東京都立産業技術高等専門学校 准教授 古屋 友和
研究要約
自動車の警告・注意は、グラフィックや音による論理的な情報のため咄嗟に理解できないことがある。人にとって音声は理解し易い情報のため、本研究では、音声言語情報での注意喚起にあたり適切な言葉と運転行動を考慮した煩わしくない提示タイミングを明らかにする。これにより、自動車や機械操作等の事故低減に貢献する。
25 軽度認知機能低下群の運転可否判断と、小形電動車(セニアカー)利用者の移動に関する、車両挙動解析に基づく連続的モビリティ支援開発 福岡国際医療福祉大学 教授 堀川 悦夫
研究要約
認知症等の運転免許欠格事由となる疾患が規定されているが、疾患・健常の境界群の運転可否判断は容易ではなく、実車運転評価と車両挙動解析を併用して運転可否判断の精度を向上させる。また、運転断念後の移動手段としてセニアカーの運転実態を測定して問題点を明らかにし、運転継続・断念双方のモビリティ支援を行う。
26 グリーン水素社会のための水電解陽極用の非貴金属酸化物系触媒の開発 横浜国立大学 准教授 松澤 幸一
研究要約
今後のグリーン水素 (再生可能エネルギー由来の電力から製造した水素) 社会のために水電解の広範の普及を見据え、抜本的なコスト削減のために陽極用の非貴金属酸化物系触媒の開発を行う。現行のイリジウム酸化物の代替となる電極触媒を非貴金属酸化物系材料で開発し、反応機構を評価してシステム性能向上の指針を得る。
27 レーザーアブレーションを用いたCoCrFeMnNiハイエントロピー合金コーティング技術の確立 金沢大学 准教授 宮嶋 陽司
研究要約
近年、等組成の5種類以上の元素から構成されるハイエントロピー合金(HEA)が注目されている。これは、従来の1種類の金属元素に対して少量の合金元素を添加する金属材料開発とは全く異なる。しかし、レーザーアブレーションによって作製されたHEAの報告は無く、本研究計画によってそのコーティング技術を確立する。
28 光弾性法と機械学習が拓く血液と血管壁の応力相互作用モデルの構築 東京農工大学 特任助教 武藤 真和
研究要約
ステントを留置した動脈瘤内血流の流体応力場の調査をターゲットとして、血圧と血管壁内応力場の入力データより、未知の血流応力場データを出力できる機械学習モデルを構築する。本モデルは流体と管壁の応力相互作用に関する多くの問題に拡張でき、例えば自動車のインテークマニホールド設計にも多大な波及効果をもたらす。
29 強力磁石の創成を目指した新規な磁気イメージング技術の開発 九州大学 教授 村上 恭和
研究要約
透過電顕法の一種である電子線ホログラフィーを用いて、磁性体内部の反磁場を可視化する新技術を開発する。反磁場解析は、電気自動車の駆動モータを構成するNd-Fe-B磁石の脆弱箇所の特定と高機能化(小型・軽量化、使用温度域の拡張等)に不可欠で、本邦が当該学術・産業分野を主導する上で必須の研究課題である。
30 新しい波動ブラックホールを用いた軽量高制振構造の研究 群馬大学 教授 山口 誉夫
研究要約
自動車、航空機などでは、CO2削減のために燃費向上、軽量が求められる。軽量にすると振動騒音が問題になる。Krylovらは、無反射端を人工的に含む高制振構造の波動ブラックホールを提案しているが、板厚を急減少させる構造を含み実用化に課題がある。本研究では、板厚に依存しないリブやビードに新波動ブラックホールを用いた実用的な軽量高制振構造を提案する。
31 低温熱源の排熱回収に用いるフラッシュ蒸気機関の開発 北九州市立大学 教授 吉山 定見
研究要約
100℃以下の低温熱源からの未利用熱エネルギーから動力を回収するためのフラッシュ蒸気機関の開発を行う。いくつかの動作流体の選定を行い、フラッシュ蒸発とボイリング蒸発の2つの蒸発過程を可視化し、サイクルシミュレーションを行い、提案するSLFBサイクルの効率向上のための要件を明らかにする。
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2021年度科学技術研究助成<若手>

(助成期間:令和4年4月1日〜令和5年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 直鎖アルカン冷炎の可燃特性の解明に関する研究 東京大学 助教 李 敏赫
研究要約
直鎖アルカン燃料の形成する冷炎の可燃特性を解明するため、S 字曲線のアプローチに基づいて着火・消炎現象を調べる。燃料・酸化剤混合気が衝突する壁面の温度制御により冷炎を着火・消炎させ、その過程をPLIF及びTDLAS 計測により得られるHCHO濃度変化により同定し、炭素鎖長や圧力等の条件が可燃特性に与える影響を明らかにする。
2 組み込み制御機器を活用した柄杓型注湯評価装置の開発 東京都立産業技術高等専門学校 助教 伊藤 敦
研究要約
本研究では、手動注湯作業用の柄杓型注湯取鍋に運動計測センサと組み込み制御機器を取り付けた、注湯動作の計測・評価デバイスの開発を目的とする。先行研究で得られている流量推定モデルを活用することを前提に、採択年度はまずセンサ情報から柄杓型取鍋の運動・姿勢を取得し、解析することに注力する。
3 超高空間分解能計測による強制乱流中の高シュミット数物質混合特性の解明 名古屋大学 助教 岩野 耕治
研究要約
本研究では、超高空間分解能の濃度計測装置により、液相強制乱流中での高シュミット数物質の微小スケールの濃度揺らぎ特性を計測し、乱流状態(減衰or 強制)が濃度変動スペクトルに及ぼす影響を明らかにする。さらに、CFD における乱流混合モデルに乱流状態の影響を組み込み、その精度を向上させることを目指す。
4 走行中ワイヤレス給電システムの大容量化に向けた新回路方式の開発 東京理科大学 助教 太田 涼介
研究要約
走行中の電気自動車にワイヤレス給電を行う場合、短時間に大電力を送る必要がある。それに伴い、システムの放射電磁ノイズの抑制及び高効率化(小型化)が最大の課題となるが、従来の電力変換回路方式では同時解決が難しいことがわかっている。そこで本研究は、新たな回路方式を提案することで両課題の解決に挑む。
5 人間の足裏への路面反力・路面形状再現システムの開発 早稲田大学 次席研究員 大谷 拓也
研究要約
本研究では、人間の足底に任意の路面反力・路面形状を再現可能な装置を開発することを目的とする。申請者がこれまでに開発している路面反力再現システムに足底の位置計測による接触部制御を加えることで、路面形状再現を実現する。本成果により、新たな技術・人間科学の知見を得るとともに VR や遠隔地旅行の実現に貢献する。
6 人体に無害な氷スラリー液滴衝突を用いた急冷技術の開発 弘前大学 准教授 岡部 孝裕
研究要約
生理食塩水から生成された人体に無害な氷スラリーの単一液滴の加熱壁面および静止液膜への衝突現象を用いた急冷法の熱伝達特性を高速度赤外線サーモグラフィと金属薄膜ヒータを用いて実験的に検証する。特に、衝突高さと氷含有量をパラメータとし、どのようにすれば冷却性能を最大化できるか検証する。
7 ACCとLCSの機能を兼備した高度運転支援の下で一時停止交差点における運転者の減速・停止を支援するヒューマンインタフェースの開発 筑波大学 助教 齊藤 裕一
研究要約
周辺監視と車両制御の自動化技術が進歩するなか、高不確実環境での安全確保の観点において、人と機械がインタラクティブに対応し合うコミュニケーション技術の高度化が欠かせない。本研究では、ACC とLCS の機能を兼備した高度運転支援下で一時停止交差点における運転者の減速・停止を支援するHMI を開発することを目指す。
8 高齢者の在宅運動実践を支援するリアルタイム姿勢評価システムの開発 流通経済大学 助教 諏訪部 和也
研究要約
新しい生活様式における高齢者のリアルタイム・オンライン集団運動では、動きに対する個別指導が難しいという課題がある。本研究では、AIを用いた先端画像解析技術を駆使して運動時の姿勢をリアルタイムで評価・フィードバックするシステムを開発し、在宅での豊かな運動実践の支援を目指す。
9 低温メタノール合成を志向した新規メタノール合成触媒の開発 茨城大学 助教 多田 昌平
研究要約
CO2水素化反応によるメタノール合成の収率を向上させるため、低温メタノール合成触媒の開発に取り組む。これは、低温での反応が熱力学的に有利に働くためである。低温メタノール合成に定評のある貴金属ナノ粒子と申請者が発見した非晶質ZrO2を組み合わせることで、革新的な触媒を創製する。
10 核沸騰現象の解明に向けた加熱液中原子間力顕微鏡の開発 九州大学 助教 手嶋 秀彰
研究要約
電気自動車用パワー半導体の高発熱密度化に対応する冷却技術として沸騰熱伝達が注目されているが、沸騰現象の最初期段階は依然として未解明である。本研究では熱対流の発生を防ぐ液膜セルを開発することで、原子間力顕微鏡による加熱中の固液界面ナノスケール3 次元計測を世界で初めて実現し、沸騰最初期の物理を解明する。
11 直観的理解を促す自動車室内視聴覚ディスプレイ配置のためのデザイン指針構築 福岡大学 助手 中 貴一
研究要約
視覚・聴覚情報の提示位置が近いほど自動車運転中の情報確認は促進されるが、具体的に求められる視聴覚ディスプレイ間の距離は示されておらず、頼るべきデザイン指針が存在しない。本研究は自動車運転中に提示される情報の直観的理解のため、満たすべきディスプレイ間の距離を示すことでデザイン指針の構築を目指す。
12 カーボンニュートラル材料を用いた繊維強化樹脂部品の3Dプリンティング 東京工業大学 助教 中川 佑貴
研究要約
輸送機器の軽量化のために炭素繊維強化樹脂の適用が拡大しているが、素材の製造に必要なエネルギーが大きい、リサイクルが難しい、成形性が低いという問題がある。本研究では3D プリンティングによって、カーボンニュートラル材料であるポリ乳酸とフラックス繊維を用いた低環境負荷かつ形状自由度の高い部材を製造する。
13 ポイントオブケアに向けた光熱駆動型マイクロポンプの開発 山口大学 助教 中原 佐
研究要約
本研究は、医療診断に向けた光熱駆動型マイクロポンプを開発することが目的である。提案するデバイスは、顕微観察に使用する光を駆動源として用いることで、試薬の送液と観察をオンチップで実施できる点に独創性がある。有用性を実証ができれば、将来は迅速な診断等に応用でき、国民生活における利便の増進が期待できる。
14 自動車樹脂構造のオイラー型超並列構造解析 名古屋大学 講師 西口 浩司
研究要約
近年、自動車樹脂構造の構造解析の重要性は増している。しかし従来の有限要素法ではその並列化効率の低さから幾何学的自由度の高い樹脂構造を精度よく計算するとは困難である。そこで本研究では超並列計算機に適したオイラー型有限体積法を基礎とし、樹脂構造を精密に再現できる超大規模かつ超高速な構造解析法を開発する。
15 多様な把持形態実現のための少駆動源多自由度ソフトロボットハンドの開発 金沢大学 助教 西村 斉寛
研究要約
本研究は、少数の駆動源でありながら、多自由度屈曲が可能な柔軟指・柔軟掌をもつソフトロボットハンドを具現化し、それによる多様な把持形態(持ち方)の実現を目的とする。多様な把持形態の達成により、対象物形状や目的、周囲の環境に合わせた把持が可能なロボットハンドの創生を目指す。
16 軟鋼板の円板圧縮挙動に及ぼす応力緩和現象の影響 岐阜大学 助教 箱山 智之
研究要約
板厚に対する直径の大きさが比較的大きい円板試験片を板厚方向に圧縮したときの、弾塑性変形挙動のさらなる解明を目指し、板厚分布に及ぼすストップモーションの影響を調査する。引張試験により粘塑性モデルを同定し、円板圧縮シミュレーションを行う。円板圧縮実験結果と比較し、応力緩和現象の影響を明らかにする。
17 永久磁石形モータにおける3次高調波電流制御による円環0次モードの振動低減/td> 東京工業大学 助教 藤井 勇介
研究要約
EV・HEV用モータとして永久磁石形モータが使用されるが、近年の高出力密度化・高速回転化に伴い。固定子に作用する6次ラジアル力に起因する円環0次モードの振動が問題となっている。本研究では、3次高調波電流をアクティブに流すことで、トルク性能を低下させることなく、6次ラジアル力を低減し、上記問題を解決する。
18 製造業の省エネルギー化に向けたパラレルワイヤ駆動ロボットの開発 近畿大学 講師 松谷 祐希
研究要約
本研究の目的は、パラレルワイヤ駆動ロボットの汎用性を高めるため、作業領域に優れたパラレルワイヤ駆動ロボットを開発することである。本研究では、手先位置の並進運動と回転運動の可動範囲の関係を解析的に明らかにし、解析結果に基づいて移動式のアクチュエータユニットを付加することで、広範囲な作業領域を確保する。
19 ロボットの直交座標系操作における知的制御 東京工業大学 講師 三浦 智
研究要約
移動ロボットの多くは、XYZ, Pitch, Yaw, Rollの直交座標系における速度制御で操作されるが、人間とは異なる身体性を有するために必ずしも直感的に操作できない。 本研究の目的は、人の認知モデルに基づいて、直交座標系に合わせて動かす独自構造のインタフェースの開発、および、 ロボットを直感的に操作するための知的制御の構築である。
20 人と協働するロボットの周期精密かつ非周期柔軟な関節空間制御 広島大学 助教 村松 久圭
研究要約
現在のロボットは精密性と柔軟性の両立が困難であり、人との協働もまた困難である。本研究はロボットの関節空間における周期性と非周期性に着目し、関節空間における周期運動と非周期運動へ位置制御およびインピーダンス制御を実装する。これにより、周期精密動作と非周期柔軟動作を両立する運動制御則の開発を目指す。
21 機械学習を用いた弾性波動のプログラマブルな振動制御の探求 宇宙航空研究開発機構 研究員 安田 博実
研究要約
本研究では、様々な周波数帯における構造振動の効率的な抑制を目指し、機械学習を用いて構造中を伝搬する弾性波動のプログラマブルな制御の探求を行う。特に、電子部品を用いたアクティブ制御とは異なり、機械要素のみによりシステムを構築することで様々な環境下でもロバストで安定した特性を持つデバイスの創製を目指す。
22 高性能低価格測距システムに向けた直接変調型狭線幅波長可変レーザの研究 東北大学 助教 横田 信英
研究要約
近年、自動運転車やロボットの目となる高性能な周波数掃引型測距(FMCW LiDAR)システムの研究開発が活発化しているが、本システムの劇的な低価格化を実現するためには、直接変調型狭線幅波長可変レーザが不可欠である。本研究では、光負帰還法を活用する独自のアプローチから本レーザの初となる実証を目指す。
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過去の助成実績

所属・役職は申請時当時のまま記載しております。