助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2016年度 科学技術研究助成

(大学名等および役職は申請時のもの)

指で左右にフリックしてご覧ください。
研究課題 大学名等 役職 氏名
1 太陽熱ブースト型OTEC用補助蓄熱式熱交換器の開発 佐賀大学 准教授 有馬 博史
研究要約
海洋温度差発電(OTEC)は表層と深層海水を使い、その温度差で発電を行う。現在、その効率向上型として太陽熱ブースト型 OTEC が提案されている。しかし、太陽光は晴天の日中しか利用できず、夜間や曇・雨天時では補助熱源が不可欠である。そこで、本研究では補助熱源として利用できる蓄熱式熱交換器の開発を行う。
2 後方2スピーカによるサラウンド音響再生の研究 富山大学 教授 安藤 彰男
研究要約
車の後部座席での受聴やヘッドレストにスピーカを設置した場合など、後方のみにスピーカを設置した条件における音のサラウンド再生方式を確立するため、オーディオ信号を直接音成分と拡散音成分に分離し、スピーカから両耳に至る伝達特性(頭部伝達関数)を利用して、直接音を前方や側方に定位させる手法を開発する。
3 不均一熱的環境におかれた有機エレクトロニクス機器に対する3次元熱電気弾性場解析手法の開発およびカテーテルへの適用 大阪府立大学 准教授 石原 正行
研究要約
不均一温度環境におかれた円筒形状の医療用能動カテーテルに適用可能な熱電気弾性場の理論解析手法を開発するとともに、種々の力学的負荷を受ける場合の具体的な3次元熱電気弾性場(機器内部の温度・変形・内力・電位・電場・電気分極)を明らかにし、安全に運用するための設計指針を得る。
4 生体信号の共分散構造分析による車酔い発症検出法の研究 三重大学 教授 井須 尚紀
研究要約
本人が不快を感じる以前に車酔い発症を逸早く予測・検出し、快適性や知覚能力の低下を未然に防ぐ手段を開発する。循環、呼吸、体温、皮膚電位など多種の生体信号を計測して共分散構造分析を行い、ストレスや興奮などの生理・心理的要因から分離して車酔いに対応する身体内部状態の変化を抽出し、車酔い強度を推定する。
5 電食防食を指向した表面処理鋼板とアルミニウム合金板の異種金属固相接合 千葉大学 准教授 糸井 貴臣
研究要約
本研究では、自動車用のハイブリット構造に配慮した異種金属接合を想定し、ハイテン鋼をベースとした表面処理鋼板とめっき処理を施した Al 合金板を電磁圧接法にて接合し、お互いの表面処理層の形態と組織制御により、接合後も高い防食機能と接合強度を兼備する表面処理金属板の異種金属固相接合技術を開発する。
6 コールドスプレー法によるナノ結晶金属厚膜形成の基礎技術開発 東京理科大学 助教 伊藤 潔洋
研究要約
結晶粒径100nm以下のナノ結晶材料は高強度・高耐食性等の優れた特性を有するため表面改質にも有効であるが、ミリメートルオーダーのナノ結晶皮膜を形成する手段は存在しなかった。本研究では、コールドスプレー法にボールミル法やショットピーニング法を組み合わせることでナノ結晶金属厚膜を形成する基礎技術を開発する。
7 Naイオン電池用 Na3V2(PO4)3 系正極のドーパント制御によるV4+/V5+レドックス発現の機構解明と高エネルギー密度化 九州大学 助教 猪石 篤
研究要約
Na イオン電池用正極材料であるNa3V2(PO4)3 は、そのままでは V3+/V4+の間のレドックス(酸化還元)反応のみしか進行しないが、V3+をAl3+や Fe3+等での金属で置換すると、V3+/V4+に加えて、より高い電圧を示す V4+/V5+の酸化還元反応も進行する。本研究では、V3+をイオン半径や価数の異なる種々の金属で置換することで、V4+/V5+の酸化還元反応の発現機構を解明する。
8 70MPa 高圧水素ガス中における水素利用機器用金属材料の疲労限度に及ぼす切欠き感度評価 立命館大学 教授 上野 明
研究要約
国内における水素利用社会の本格的実現へ向けて、水素ガス環境中で利用する機器の安全性を保障する必要がある。金属材料は水素環境下で「水素ぜい化」を起こすが、切欠きのような応力集中部を有する材料の疲労強度を水素環境中で調べる研究は実用上も重要であるが前例がないため、本申請の目的とする。
9 ぜんまいによるブレーキ回生機構を用いた往復移動装置の設計と実験検証 豊橋技術科学大学 教授 内山 直樹
研究要約
ハイブリッド自動車では発電機とバッテリによるエネルギー回生機構が搭載され、減速時に運動エネルギーを回収している。本研究では、よりエネルギー回生率の高いぜんまいを用いたブレーキ回生機構を提案し、実験により有効性を明らかにする。
10 聴覚情景分析に基づいた様々な音源の信号区間検出法の研究 北陸先端科学技術大学院大学 准教授 鵜木 祐史
研究要約
本研究では、ヒトが音を利用して環境を把握するように、様々な音環境において、特定の生活音 (音声、報知音、足音など身の回)が存在する音信号区間を頑健で正確に検出する方法を実現する。この成果により、実環境における音声認識の向上、能率的音声符号化のほか、異常音検出や見守り・防犯対策の応用にも期待できる。
11 電気自動車普及に向けた次世代リチウムイオン二次電池用高容量正極材料に関する研究 徳島大学 准教授 大石 昌嗣
研究要約
現在開発されている最も高性能な蓄電池はリチウムイオン二次電池だが、未だその限界まで性能が引き出されているとは言えない。そこで、新たに提案する“酸素”の反応を用いることで、その限界性能を達成するための基礎研究を行う。具体的には、放射光を用いた軟 X 線吸収分光法測定よりその詳細な反応メカニズム解明を行う。
12 トランスミッションギヤの油焼入れ工程を想定した沸騰流れ現象の非定常シミュレーション法の研究開発 北海道大学 教授 大島 伸行
研究要約
トランスミッションギヤの油焼入れ工程の温度制御のため非定常熱流動シミュレーションによる高精度・汎用的予測手法を開発する。沸騰を伴う気液界面現象に対して、乱流ラージ・エディ・シミュレーション法の導入を図るために新しい界面解析法を実用的流れ解析ソフトウェアに実装し、沸騰伝熱および乱流伝熱の精度検証を行う。
13 圧子押込み法による自動車部材接合部における動的強度推定法の開発 大阪大学 助教 岡野 成威
研究要約
圧子押込み法は硬さ試験として知られている材料試験法であり、局所領域における力学的特性を非破壊的に測定できる。本研究は、圧子押込み時に取得される押込み荷重深さ曲線に及ぼす圧子下の材料のひずみ速度や強度的不均質の影響を解明し、従来の静的強度推定法を接合部のミクロ組織レベルの動的強度推定法に発展させる。
14 Liイオンキャパシタ用SiCO薄膜のSi近接元素制御による高効率化 大阪府立大学 講師 岡本 尚樹
研究要約
ジメチルポリシロキサン(PDMS)の塗布・焼成による SiCO 膜に対して、物性評価と充放電特性の関係を明らかにする。その結果を Si 原子の近接元素に注目して解析する。また、構造改変した PDMS を用いて Si 原子の近接元素を変えて、充放電特性の違いを検討する。高性能な SiCO膜を得る高速CVDプロセスを構築し、低コスト・大面積化をはかる。
15 高感度・高速応答型感温塗料による乱流くさび発達の実験的可視化 首都大学東京 助教 小澤 啓伺
研究要約
本研究では、これまで研究開発してきた高感度・高速応答型 TSP 計測法を用い、衝撃波管内壁での境界層遷移現象と発生する乱流くさびの発達する様子を実験的に可視化することが目的である。従来、理論、DNS、PIV などの物体上空間を対象とした研究とは異なり、物体表面上の二次元非定常温度計測により、遷移現象を解明する。
16 乗員の心理推定とマスキングを利用した超小型モビリティの新たな乗り心地制御 東海大学 助教 加藤 英晃
研究要約
車両乗り心地向上技術では生体計測などを反映させて乗員一人一人に適した乗り心地の提供を行う方法は前例がない。本研究はリアルタイムに心理推定をし、乗員の不快と感じる振動周波数帯域に対する感度をアクチュエータで入力する別帯域の振動により低減させるマスキングを利用した新たなシステムを開拓する。
17 環状火炎によって形成された高温酸化性雰囲気における減容化廃ポリスチロールの燃焼特性 大島商船高等専門学校 教授 川原 秀夫
研究要約
我々は、廃油を使って減容化されたポリスチロールの塊をサーマル・リサイクルによって熱エネルギーに変換することを考えている。本研究では、環状火炎バーナによって形成された高温酸化性雰囲気における減容化廃ポリスチロールの燃焼特性を明らかにし、レトロフィット可能な商・工業用バーナの開発を行うための知見を得る。
18 群知能を用いた探索群ロボットの制御の研究 日本工業大学 准教授 神林 靖
研究要約
群ロボットの制御に群知能アルゴリズムを適用して、協働しつつ自律的に対象を探索する小型で廉価な移動ロボットシステムを開発する。協働するロボットはアドホックネットワークを構成する。移動ソフトウェアエージェントを使用して他の移動ロボットと情報共有を行い、迂回経路の生成や協働して不整地での前進を遂行する。
19 超々硬質アルマイトの創製と輸送機器への応用 北海道大学 准教授 菊地 竜也
研究要約
本研究においては、新規な電解質化学種を用いたアルミニウムのアノード酸化(陽極酸化)により、従来の硬質アルマイトを大きく革新する「超々硬質アルマイト」の創製に挑戦したい。超々硬質アルマイト形成アルミニウムを自動車などの輸送機器材料に応用展開し、さらなる軽量化・燃費向上を図るための指針を得たい。
20 付着噴流を利用した衝突噴流冷却領域の広範囲化 鈴鹿工業高等専門学校 准教授 鬼頭 みずき
研究要約
衝突噴流はよどみ点において局所的に高い熱伝達率が得られるが、よどみ点から離れるにつれて熱伝達率が急激に低下する。そのため高温壁面を均一に、広範囲に冷却することができない。そこで、本研究では円筒物体を衝突平板付近に設置し、衝突平板上の伝熱促進を目的とし、最適な物体位置を検討する。
21 ドライバの感性領域における操舵過渡応答向上のための車両運動制御の研究 近畿大学 准教授 酒井 英樹
研究要約
手・腰・目で感じる操舵過渡応答性能向上のため、次の二つを同時に満たす ブレーキ・パワステアリング連携制御を開発する。①手・腰で感じる後輪まわりの回転運動をブレーキ制御によって強調する。②目で感じる(錯覚する)運動感覚を、わずかなブレーキ制御による、ロールと同期したピッチ運動によって向上させる。
22 電源を必要としない自分で電圧を発生する小型軽量で衝撃に強い自動車のための新しいセンサーの開発に関する研究 福島大学 教授 島田 邦雄
研究要約
電気自動車やハイブリッド車での省エネでセンシングする技術において、無電源電圧供給でセンサーが自分でより大きな電圧・より小さな電流を発生する小型で軽量、衝撃に強く破壊しないゴムによる新しいセンサーの開発研究を本申請者が編み出した新しい電解重合法の技術を使って行う。
23 傷病者の体調に優しい救急車用ベッドの振動低減に関する研究開発 福井大学 准教授 新谷 真功
研究要約
救急車用ベッドに対応した上下方向の振動の低減、進行方向の慣性力の低減を行い、傷病者の体調に優しいベッドを研究開発する。床の上下方向の振動は、路面の凹凸、マンホール、踏切、段差等により、衝撃加速度をベッドに与える。ばねと摩擦力による減衰力で、ベッドに伝える振動を低減する装置の開発を目的とする。
24 担体表面における微細構造を制御可能なナノ粒子触媒合成法の開発 大阪大学 准教授 清野 智史
研究要約
Pt を主元素とする合金粒子触媒と金属酸化物助触媒が、担体材料表面に担持した複合ナノ粒子を、申請者の独自技術である『放射線還元法』により合成する。合成技術の高度化と粒子生成機構の解明により、主触媒・助触媒の組成及び析出部位を制御な触媒合成手法として確立させる。
25 衝撃試験における慣性力と荷重応答に及ぼす衝突部形状の影響の解明 大阪大学 助教 高嶋 康人
研究要約
本研究は、自動車や機械構造などに用いる材料の衝撃試験において慣性によって生じる荷重応答に及ぼす衝突部形状の影響を数値シュミレーションと計装化衝撃試験によって明らかにするものである。接触理論に基づいて独自開発した数理モデルを用い、衝撃吸収エネルギーと衝突部形状の関係を解明する。
26 高耐久性面状透明発熱体を指向したカーボンナノチューブ/ガラス複合化技術の開発 千歳科学技術大学 准教授 髙田 知哉
研究要約
耐剥離性・耐候性を有する面状透明発熱体の作製を目指し、カーボンナノチューブのガラス表面への化学結合による導電層の形成法および通電による発熱特性の制御法を確立する。化学結合形成には、ガラス表面の感光性シランコート層の光反応を利用することで、低環境負荷のプロセスの確立を目指す。
27 レーザピーニングを利用したアルミニウム合金の信頼性向上—表面欠陥の無害化− 横浜国立大学 教授 高橋 宏治
研究要約
アルミニウム合金は自動車用部材として使用されているが、一般的に欠陥感受性が高いため、表面欠陥が存在すると疲労強度が大幅に低下してしまう。本研究では、レーザピーニングにより、アルミニウム合金の疲労強度を大幅に向上させるとともに、疲労強度上有害な表面欠陥を無害化する手法を提案する。
28 アコースティック・エミッション法による自動車用超高強度TRIP 鋼板のスポット溶接強度特性 長野工業高等専門学校 教授 長坂 明彦
研究要約
自動車用鋼板の場合、プレス成形後にスポット溶接等によって部品に組込まれる。そのため、溶接時の残留応力によって部品が遅れ破壊を発生する可能性がある。そこで本研究では、超高強度 TRIP 鋼板のスポット溶接強度特性を評価することを目的として、アコースティック・エミッション法により引張特性等を調査する。
29 変形した発泡アルミニウム再生のための再発泡技術の開発 群馬大学 准教授 半谷 禎彦
研究要約
一度変形した発泡アルミニウムの再生を目指し、まず発泡剤を含有した発泡アルミニウムの作製を試みる。次にそれを圧縮し加熱することで再発泡させ、元の発泡アルミニウムを得ることを試みる。これは、申請者が独自に開発している摩擦攪拌接合を利用した発泡アルミニウム作製法を応用することで実現することを目指す。
30 多軸加圧による揺動動作の実現と据込み加工への応用 福岡工業大学 教授 廣田 健治
研究要約
鍛造加工では形状が低アスペクト比化するほど荷重の増加が顕著となり加工が困難になる。この問題に対し、複数の直動アクチュエータで揺動加圧動作を実現して逐次圧縮を行う手法を提案する。この加圧システムを構築して据込み加工に適用し、荷重低減効果とそのメカニズムを明らかにする
31 吸着式蓄熱槽の吸脱着挙動と温度応答の解析 九州大学 教授 深井 潤
研究要約
エンジンの暖機時間を短縮するために、冷却水を迅速に加熱する吸着式蓄熱システムを開発する。本申請では、その基礎研究として、吸着熱、吸脱着特性などの基礎データを測定するとともに、吸着材粒子を充填した蓄熱槽を試作し、蓄放熱時の蓄熱層内温度応答を実験・理論の両面から解析する。
32 地表面プラズマ波の理論と精密観測に基づく短期地震予測の可能性探求 富山大学 准教授 藤井 雅文
研究要約
地震に伴う電磁気現象の観測により、地殻に作用する応力の変動を監視できる可能性が示唆されている。本研究では、地震に伴う異常な電磁波の伝搬理論を提案し、その周波数、強度、過渡的波形を精密に観測することにより、数日程度の短期間に発生する地殻変動を検出し、合理的で信頼性の高い短期地震予測法を実現する。
33 燃料電池空気極用の脱白金・脱炭素触媒の開発 横浜国立大学 准教授 松澤 幸一
研究要約
今後の燃料電池の広範の普及を見据え、高耐久で抜本的なコスト削減のために燃料電池空気極用の脱白金・脱炭素触媒の開発を行う。現行の白金担持カーボン(Pt/C)の代わりに酸化物系材料(脱白金)を導電性酸化物(脱炭素)に担持した電極触媒(脱白金・脱炭素触媒)の性能及び反応機構を評価して活性向上の指針を得る。
34 複合感覚フィードバックに基づく移動システムの遠隔制御技術に関する研究 神戸大学 准教授 元井 直樹
研究要約
本研究では、カメラ等で計測した視覚情報と、環境とシステムとの接触可能性に基づく力覚情報との複合感覚フィードバックを有する移動システムの遠隔制御技術に関する研究を実施する。本研究遂行により、直感的な移動システムの遠隔操作が可能となり、操作に精通していない操作者においても容易に遠隔操作が可能となる。
35 単孔層のマイクロ多孔材による電気自動車のバッテリーパックからの放熱促進 静岡大学 准教授 Mobedi、Moghtada
研究要約
電気自動車やハイブリッド電気自動車において、バッテリーからの熱の除去は、バッテリー性能が温度に強く依存することから、極めて重要である。この種のバッテリーからの放熱においては、単孔層(Single pore layer: SPL)の多孔質体の応用が解決策となり得る。本研究では、この単孔層マイクロ多孔質体(SPL micro porous media)がバッテリーパックの冷却にいかに効果的かを実験と理論の両側面より検討する。
36 人工石油合成に向けた複合二酸化炭素還元触媒の開発 新潟大学 准教授 由井 樹人
研究要約
地球温暖化の主要原因物質とされている二酸化炭素とクリーンな太陽光を用いて、一酸化炭素などの有用炭素化合物(人工石油)を生成する触媒系の開発を行う。特に提案者が独自開発した CO2 活性化触媒であるレニウム錯体と光触媒である層状半導体をナノレベルで複合化した触媒を用いることを特徴としている。
指で左右にフリックしてご覧ください。

過去の助成実績

所属・役職は申請時当時のまま記載しております。