助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2019年度 科学技術研究助成<一般>

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 不整地走行に特化した電動車イスの開発 千葉工業大学 准教授 青木 岳史
研究要約
山道や市街地などの起伏や段差の多い環境での走行を目的としたクローラ型電動車イスの開発を目的とし,耐摩耗性と摩擦性能を向上させた紛体バッグ付きクローラベルトと,姿勢安定機構の開発を行う。またスイスで開催されるサイバスロン電動車イス部門に出場し,大会で得る知見を基に日常生活でも使用できる機体へ改良する。
2 音響泳動による自動車由来マイクロプラスチックの濃縮回収技術の開発 信州大学 准教授 秋山 佳丈
研究要約
環境問題として注目が集めるマイクロプラスチックの濃縮回収技術として,マイクロ流路内での音響泳動に加え,液-液相分離(コアセルベート)という現象を組み合わせることを提案する。これにより,従来困難だったゴム由来やナノサイズのものも含めた汎用的なマイクロプラスチック濃縮回収技術を開発する。
3 空間拡張現実感を用いたドライバの視認性を向上する自動車照明技術 和歌山大学 教授 天野 敏之
研究要約
近年,映像提示可能なヘッドライト(PHL)が実用化されている。本研究では,申請書が提案しているプロジェクタとカメラを用いた光学的なフィードバック系をPHLへ応用し,色彩協調や輪郭協調などを行うことで夜間シーンの視認性を向上させる視覚補助技術について研究する。
4 好みの多様性に適応するエンジン音制御手法の開発 広島市立大学 教授 石光 俊介
研究要約
近年,製品の音を価値の一部とみなすサウンドデザインに注目が集まっている.音の評価はヒトの主観に基づくものである。よって,背景となる文化,習慣,環境,そして好みに大きく影響を受ける。そこで本研究ではその個々の好みの多様性に自動制御するサウンドデザイン手法の確立を目的とする。
5 山林や法面での安定な作業を可能にする不整地作業用小型モビリティベースの開発 静岡大学 准教授 伊藤 友孝
研究要約
ドローンや自動運転技術の登場等,近年のモビリティ分野の発展は目覚しいが,凹凸や傾斜の厳しい不整地環境での安定な移動機構は存在せず,山林や河川沿いの法面の保全等の危険な作業は人手に頼っている.本研究では,脚と車輪の特長を併せ持ち不整地でも安定して作業を行える次世代の小型モビリティベースを開発する。
6 レーザ溶接のためのCIP 法を用いた気液固相ユニバーサルソルバーの開発 東京工科大学 准教授 大久保 友雅
研究要約
レーザ溶接で対象となる固体、液体、気体の三相を同時に統一的に計算することが可能となるユニバーサルソルバーを非保存型のCIP 法を用いて開発する。従来の手法では近似的に計算されていた状態変化に伴う圧力変動や、各流体の圧縮性等を考慮した、新しい数値計算環境の構築を目指す。
7 超スマート社会における夜間時の歩行者抽出法の開発と動作解析 秋田大学 教授 景山 陽一
研究要約
本研究は,超高感度ズームと熱赤外域の複合カメラで撮影されたデータを対象とし,夜間時の歩行者抽出を目的とした特徴量の選定,処理法の開発を行うとともに,抽出された人物の基礎動作解析を行う。得られた成果は,夜間時の歩行者抽出に加えて,災害時の人命救助やクマなどの検出等地域の課題を解決する要素技術となる。
8 部分的な安定判別による二輪車の自励振動防止設計技術の研究 近畿大学 准教授 酒井 英樹
研究要約
二輪車の走行中に生じることがある自励振動(ウイーブとウオブル)を防止するため,キャプサイズ不安定を除去した安定判別法を用いて,各設計変数の成立範囲を提示し,さらに,自励振動に寄与の大きい設計変数を指摘する.最後に,寄与の大きい変数の成立範囲を,二輪車のタイプ別に示すことで,設計指針を示す。
9 金型加工面の品位の評価方法と向上手法 東京農工大学 教授 笹原 弘之
研究要約
自動車製造などに必要な金型の加工において,加工面が高品位であることが重要である.しかし,品位の程度については,目視によって評価しているのが現状である.そこで,本研究では,金型加工面の品位を定量化する方法,および高品位な加工を行う方法を研究する.そのことにより,金型を使用する産業界の発展に寄与する。
10 光ファイバープローブによる高速液滴衝突時の発生圧力測定 静岡大学 准教授 真田 俊之
研究要約
超高時間分解能で光の反射量を測定可能な光ファイバープローブを用いて、液滴が高速衝突した直後に発生する圧力測定法の開発を行う。その測定圧力について、申請者らの提案した理論モデルとの比較により仮説の検証を行うと共に、どの衝突速度領域で液体の圧縮性の効果、すなわち密度変化が有意になるかを実験的に解明する。
11 操舵支援による人間機械協調型運転支援システムに対するドライバの適応 東京都市大学 准教授 杉町 敏之
研究要約
高度運転支援システムでは、システムが操舵に介入した際、ドライバは自身の意図しないハンドル操作への介入があると違和感を覚える。そのため、本研究では、操舵制御モデルによる支援に対し、ドライバが経験と習熟を通じて操舵支援システムを理解することにより、どこまで適応できるかを明らかにすることを目的とする。
12 ベクトル磁気特性を考慮したモータ鉄心材料の最適利用に関する研究 茨城大学 准教授 祖田 直也
研究要約
本研究では,鉄心材料を最適に利用するための誘導モータの固定子鉄心形状設計を行う。具体的には,モータの鉄心材料として使われる電磁鋼板の磁気特性を詳細に表現することが可能なベクトル磁気特性を用いた有限要素解析技術を誘導モータに適用し,固定子鉄心形状を変更することで鉄心内の鉄損低減を実現する。
13 硫黄/炭素/多孔質V2O5複合体の合成とリチウム硫黄電池へのその応用 東京工業大学 准教授 谷口 泉
研究要約
本研究では,鉄心材料を最適に利用するための誘導モータの固定子鉄心形状設計を行う。具体的には,モータの鉄心材料として使われる電磁鋼板の磁気特性を詳細に表現することが可能なベクトル磁気特性を用いた有限要素解析技術を誘導モータに適用し,固定子鉄心形状を変更することで鉄心内の鉄損低減を実現する。
14 新規手法により合成した球状/ファイバー状混合カプセルとこれを用いた金属防食用自己修復性塗膜の開発 旭川工業高等専門学校 准教授 千葉 誠
研究要約
これまでの研究から,我々は高粘度プレポリマー溶液を用いることで球状/ファイバー状混合カプセルが合成でき,これらを用いた塗膜は非常に高い自己修復性を有することを明らかにした.本研究では,これら知見をもとに,金属防食用自己修復性塗膜の開発を目指し,自己修復性塗膜形成試料の腐食試験を行うことを目的とする。
15 円筒ころ軸受を用いた無段変速機の変速比増大化に関する研究 近畿大学 教授 東﨑 康嘉
研究要約
無段変速装置は,エンジンを効率の良い回転域で運転できる特徴がある.プーリ幅を変更する金属ベルト式とは異なり,転がり軸受を遊星機構に見立てて,補助モータによりハウジングを回転させ一定の入力回転数の下,変速比を無段階に変更できる機構とする.軸受転動体を変更することにより,変速比の増大化の検討も行う。
16 複数のメカニズムで誘発される複合型摩擦振動体系化 大分大学 准教授 中江 貴志
研究要約
申請者は,これまでの枠組みに入らない新種の摩擦振動現象を発見し,その調査を続けている。この振動は複数のメカニズムで発生する極めて珍しいブレーキ鳴き現象である。本研究はこのような複合型摩擦振動現象を,理論・実験の両面から体系化するとともに有効な制振技術を開発することを目的とした挑戦的研究である。
17 超小型ロボットが移動する宇宙空間浮遊テザー(ロープ)の挙動解析 静岡大学 教授 能見 公博
研究要約
宇宙テザー(ロープ・ワイヤ)による新しい宇宙デブリ(ごみ)除去システムの開発を目標とする.宇宙空間でテザーを伸展し,超小型ロボットをテザー上で移動させることで,超大型テザーマニピュレータを構築する.本申請では,超小型衛星を用いた宇宙実証実験を目的に,テザー伸展装置および超小型ロボットを開発する。
18 植物由来モノマーを原料とする新規オレフィン系高分子機能材料の創製 首都大学東京 教授 野村 琴広
研究要約
本課題は非可食植物資源(環式モノテルペン)から新規オレフィン系高分子機能材料の創製に関する。この種のポリマーは優れた耐候性や高透明性・耐熱性、高機能エラストマーとしての機能発現が期待され、申請者が有する独自の高性能触媒による精密重合により合成可能で、独創性に秀でた革新的な成果が大いに期待できる。
19 デジタルヒューマンによるハンドル型電動車椅子操作系の最適設計 首都大学東京 教授 長谷 和徳
研究要約
ハンドル形電動車椅子の操作性の向上は高齢者が安全に利用するためにも重要であるが,実験的にこれを調べることは難しい.本研究では高齢者特性を反映できるデジタルヒューマン技術に基づきコンピュータ上でハンドル形電動車椅子の運転特性を評価し,操作性に優れ,安全性を向上させた操作系の最適設計案の導出を目指す。
20 ステレオカメラによる3次元形状および変形・ひずみ・回転角分布の高速計測システムの試作 福井大学 教授 藤垣 元治
研究要約
ステレオカメラにおいて実時間で3次元計測ができるシステムを試作する.申請者が提案している特微量テーブルを参照するだけで3次元座標が得られる手法を適用する.この手法は従来手法ではできなかった変形・ひずみ・回転角分布も同時に計測でき,材料試験や構造物の健全性評価など幅広く社会に貢献できる技術となる。
21 小型精密自走ロボットのXYΘ精密位置決め制御の高速化とAFMへの応用 横浜国立大学 准教授 渕脇 大海
研究要約
精密機械工場の小型軽量化につながるインチワーム型ホロノミック精密自走ロボットに複数個のエンコーダにより構成される内界センサを搭載し, XYθ変位の精密制御を高速化することを第一の目的とする。第二の目的として,原子間力顕微鏡(AFM)のスキャナーとカンチレバーを2台に搭載し,AFMの観察範囲の拡大と自在化を実現する。
22 完全レア・アースフリー硬磁性材料の高性能化 東北大学 教授 牧野 彰宏
研究要約
アモルファス薄帯がナノ結晶化時に示す低温高速拡散に着目し、Fe-Ni-半金属合金(FeNiSiBPCu系合金)を用い、工業生産に用いられる製法により、隕石にのみ超微量存在してきたL10-FeNi(硬磁性相)を軟磁性組織中に得ることに成功し、その磁石特性を、希土類以外の磁石に匹敵する迄に向上させた。この特性を更に希土類磁石レベルに引き上げる。
23 粒子共存制御ラジカル重合法によるNafion代替新規高分子電解質膜の作製 山形大学 准教授 増原 陽人
研究要約
フィラー材料とプロトン伝導性ポリマーから構成したcore-shell 型ナノ粒子を、粒子共存制御ラジカル重合法により作製し、膜化することにより、新規高分子電解質膜を作製する。本申請研究手法は、低コスト・大量合成可能などの利点を有しており、今後の燃料電池の普及拡大に向け、大きく寄与できる。
24 マイクロ・ナノスケール流動制御による飛躍的な水電解の高効率化 九州大学 教授 森 昌司
研究要約
素社会の実現には安価で環境にやさしい製造プロセスが必須で電解技術のブレークスルーが重要である。そこで本申請課題では、熱と物質の移動のアナロジーに着し、これまで申請者の発案により研究してきたハニカム多孔質体をいた極限冷却技術をアルカリ電解に応し素成効率を各段に向上させる極限物質成技術を提案し、実証する。
25 等温燃焼による内燃機関の熱効率改善の可能性 千葉大学 教授 森吉 泰生
研究要約
サイクル論では,同一圧縮比でオットーサイクルが最大効率の熱機関となるが,等容的に熱を一旦全て内部エネルギーにし,それを膨張過程で仕事に変えている.そのため,熱損失により実際の効率は低下する.そこで,等温燃焼を実現すれば,どの程度効率が改善できるか1次元シミュレーションを行い,その可能性を検討する。
26 ブレーキからの粒子排出簡易評価装置の開発 東京電機大学 教授 山田 裕之
研究要約
欧州を中心に規制化が議論されている自動車ブレーキ由来粒子の評価装置を開発する。現在議論されている評価装置は非常に大型かつ高価なものだが、開発するものは小型で安価なものとする。開発した装置を用いてブレーキ素材を評価し、大型装置での評価結果と比較することにより、開発装置での評価の妥当性を検証する。
27 マルチアークプラズマ照射を利用した小型触媒コンバータの開発 熊本大学 助教 芳田 嘉志
研究要約
触媒金属の二次元配向に立脚する特異な構造敏感性を利用して高速分子変換機能を発現し、また薄膜触媒のフレキシブル性を活かしてオールドライプロセスによる超高セル密度メタルハニカム触媒の調製技術を確立する。これにより従来の多孔性粉末触媒を凌駕する小型かつ高性能な革新的触媒コンバータの設計指針を提案する。
28 使用済み自動車触媒からのレアメタルの高効率分離回収プロセスの開発 九州大学 教授 後藤 雅宏
研究要約
本研究では、溶媒抽出法の原理に基づき、有機溶媒を用いない環境調和型のレアメタル高効率分離法を開発し、自動車触媒のリサイクルに、このレアメタル分離回収技術を適用する。分子設計に基づき選択性の高い新規な抽出剤を開発し、高価な白金族(Pt, Pd, Rh)のみを高効率に分離回収するシステムを構築する。
29 電気自動車用リチウムイオン蓄電池リサイクルのための残価値評価技術の開発 立命館大学 教授 福井 正博
研究要約
電気自動車用リチウムイオン蓄電池は今後大規模普及が見込まれているが、数年の使用後の電池残寿命や残価値の評価が困難なため、中古電気自動車の再活用が困難である。本研究では、使用状態に基づき,蓄電池の残寿命と残価値を正確に推定することにより、中古市場及び据置蓄電池への転用を容易化する技術を開発する。
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2019年度 一般科学技術研究助成<若手>

・・・35歳以下の研究者向け科学技術研究助成

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 電気自動車用ディファレンシャル機能を有するダブルロータ形誘導電動機の開発 静岡大学 助教 青山 真大
研究要約
電動車用モータの複合機能化を目的に,ディファレンシャル機能を有する誘導電動機の開発を行う。1つのステータのアキシャルギャップ面両側に誘導ロータを備え,軸が独立回転可能な構造である。電磁界解析による磁気回路設計から試作機による実機検証および2つの軸の独立駆動に適した制御モデルの構築までを目的とする。
2 機能性キャビテーション処理による自動車用歯車の高強度化に関する研究 東京電機大学 助教 井尻 政孝
研究要約
本研究では自動車用歯車の疲労特性の改善を目的として,機能性キャビテーション(MFC)を提案する.浸炭処理により表面硬化させたCr-Mo鋼(SCM420H)にMFC加工させ,被処理面の粗さの抑制,硬さの増加,疲労強度の向上を目指す。
3 ドリル摩耗のインプロセス推定によるドリル折損回避技術開発 長崎大学 助教 大坪 樹
研究要約
開発した回転数制御機能を有するエアータービンスピンドルの供給空気圧とボールエンドミルの工具摩耗は非常に強い相関関係にあることを発見した.本研究では上述した特徴を応用して加工中の供給圧力を監視することで,小径穴あけ加工におけるドリル摩耗をインプロセス推定し,工具折損を回避するシステムを開発する。
4 深層学習ドライバモデルによる運転中の知覚情報の解明 立命館大学 助教 岡藤 勇希
研究要約
ドライバの運転行動の最初のステップである,知覚特性の解明を目的とする.人間の特性を考慮した深層学習ドライバモデルを構築し,学習したモデルの中間特徴量を解析することで,特に,「視野内の何の情報が運転のために重要か」についての解明を行う.運転における知覚特性の解明により,運転に対する快適性の議論を行う。
5 炭素繊維強化プラスチックを用いた車両前部の衝撃吸収性能向上に関する研究 東海大学 講師 加藤 英晃
研究要約
本研究計画は比強度、比剛性が従来のアルミ合金や構造用鋼材に比較して極めて高い炭素繊維強化プラスチックを用いて「車両構造部材よりもエネルギー吸収部材が先に圧潰」し、「吸収部材により十分にエネルギー吸収をする」という2つの相反する目的を両立させる構造物の設計指針の確立を目的とする。
6 電磁式パラメトリック動吸振器による自動車駆動系ねじり振動の低減 茨城大学 助教 加藤 雅之
研究要約
本研究では,自動車のエンジン回転数に応じてシステムパラメータを受動的に変動させるパラメトリック動吸振器の開発を行う.エンジンの駆動トルク脈動により,ドライブシャフトで大きなねじり振動が生じるが,本制振デバイスを搭載することにより,アイドリングから高回転数域までの広範囲で振動を低減可能である。
7 概日リズムが胃腸の電気活動に及ぼす影響に関する研究 富山県立大学 助教 木下 史也
研究要約
胃腸の電気活動を体表面から測定できる胃電図を用いて,概日リズムが胃電図に及ぼす影響について実証実験を行う.「蠕動運動異常時では,負荷による応答の低下,または正常域に戻るまでの過程に異常がみられる」という研究仮説を示すため,胃腸活動の協調性を記述する数理モデルの構築を行い,各種パラメータの抽出を行う
8 海洋プラスチック問題を解決する自然分解高強度プラスチックの創製 東北大学 助教 栗田 大樹
研究要約
海洋プラスチック問題は水環境および住環境に甚大な被害を世界的に与えている.本研究では,自然分解する高強度プラスチックの創製を目的とする,研究指針として,加水分解性ポリカプロラクトン(PCL)を植高強度セルロースナノファイバー(CNF)で強化し,その力学特性および加水分解性評価を評価する。
9 第5世代移動通信システムを用いた電動車の走行学習と自動運転 東京工芸大学 助教 河野 仁
研究要約
電動車イスやセニアカーなど(以下,電動車)は,ICT技術の恩恵を十分に受けられておらず機械学習可能な高性能計算機もコスト面から実装が困難である.本研究では,電動車と高性能計算機が第5世代移動通信システムにより通信し,学習や使用知識選択を外部で実行することで自動運転や操縦支援を実現するシステムを開発する。
10 受動関節を有するパラレルワイヤ駆動機構による上肢の動作補助 金沢大学 助教 小塚 裕明
研究要約
本研究では,人の上肢の動作を補助するため,冗長な受動関節を有したパラレルワイヤ駆動機構を提案する.同受動関節は,機構の動作に影響を及ぼさないが,わずかに回転する特性がある.本研究では,それをセンサとして用い,同回転に応じて機構を制御することで,人の上肢の動作補助を実現する。
11 結晶方位分布に基づいた機械学習による成形性の予測 産業技術総合研究所 研究員 権藤 詩織
研究要約
本研究は最適な塑性加工条件の選定に重要な,加工に伴うミクロ組織の変化と,応力・ひずみと組織の関係に着目したものである.具体的にはスピニング加工を取り上げ,加工に伴う結晶方位分布の変遷と成形性との関係を機械学習に基づき解明することを目的とする.本研究により金属加工におけるAI活用の土台が構築される。
12 外科手術時の生体への熱侵襲を抑制する骨切除用研削デバイスの開発 大阪大学 助教 佐竹 うらら
研究要約
外科手術時の骨の切除では砥石による研削加工が行われるが,切除点の温度上昇が激しく,生体への熱侵襲が問題となっている.本研究では,温度上昇の原因である 砥石表面への骨粉の付着 の抑制を目的に,骨粉の電気泳動現象に着目し,冷却水中で帯電した骨粉を切除点から速やかに排除可能な骨切除用研削デバイスを開発する。
13 マイクロ波レーダーを用いた死角からの歩行者飛び出し予測 富山県立大学 講師 佐保 賢志
研究要約
自動車等の運転時における車両間の隙間や曲がり角の裏側等の死角からの歩行者の飛び出しを、レーダーを用いて飛び出しの前に予測する技術を探求する。この技術の実現を、マイクロ波レーダーの電波が多重反射・回折・透過などにより死角領域に伝搬した成分を抽出・解析し、高精度運動予測技術を組み合わせることで目指す。
14 二相組織鋼の強度・延性予測のためのメゾスケール延性損傷モデルの構築 大阪大学 助教 庄司 博人
研究要約
近年,自動車の軽量化と衝突安全性を両立するため,強度・延性に優れる二相組織鋼の開発が進められている.しかし,鋼材としての強度と延性をバランスよく向上させるための組織制御指導原理は必ずしも明らかではない.本研究では,組織形態と各相の特性から,鋼材の強度・延性を予測するための延性損傷モデルの構築を行う。
15 遷移元素ドープ斑銅鉱ナノ粒子をビルディングブロックとしたサステイナブル熱電材料の創製 北陸先端科学技術大学院大学 特別研究員 高橋 麻里
研究要約
地球上に豊富に存在し、かつ毒性が低い元素から成る斑銅鉱(Cu5FeS4)のナノ粒子を化学合成し、それらを焼結することでサステイナブル熱電材料を創製する。さらに、遷移元素をドープしたCu5FeS4ナノ粒子を用いることで、マルチスケール結晶欠陥を有する斑銅鉱熱電材料を創製し、高性能化を図る。
16 非矩形鋼板の通電加熱ホットスタンピングによる超高強度鋼部材の製造プロセスの開発 東京工業大学 助教 中川 佑貴
研究要約
自動車骨格部材の軽量化,高強度化のためにホットスタンピングによる製造が行われているが,加熱に依る低生産性,高コストが拡大の妨げとなっている.低コストかつ高速加熱可能な直接通電加熱方式は,矩形材に適用が限られる.本研究では,実ブランクに近い,非矩形鋼板の通電加熱ホットスタンピングプロセスを開発する
17 自動車用マイクロマシンのための製作誤差修正加工法の開発 静岡大学 助教 中澤 謙太
研究要約
光計測を援用した大気圧プラズマ微細加工による,マイクロマシンの半導体プロセスで生じた製作誤差の修正法を開発する.加工の高精度化は無数の条件を制御する必要があり,サブミクロンの加工精度を実現することは難しい.そこで,光精密計測器を集積化し,加工後だけでなく,その場計測することで加工精度を向上させる。
18 巧みな遠隔作業のための指先装着型多自由度触覚ディスプレイの開発 神戸大学 助教 永野 光
研究要約
ヒトが指先で感じる力覚・位置・姿勢情報は,滑り検出や把持力調整などに必要な情報であり,高精細な遠隔作業の実現に寄与すると期待できる.そこで本研究では,パラレルリンク機構を用いて指先における6自由度力覚(力・トルク)情報+6自由度位置・姿勢情報を呈示可能な指先装着型触覚ディスプレイを開発する。
19 新興国道路渋滞の予防に用いる加減速と操舵に関する運転支援システム 立命館大学 研究助手 長濱 章仁
研究要約
新興各国の著しい経済発展や人口増加によって、道路渋滞が深刻化している。先行研究では、複数車両の順序入れ替えにより渋滞予防の可能性が示されている。本研究では、新興国特有の車線が守られない交通において、順序入れ替えを促す運転支援システムの要素、具体的には加減速と操舵を促すインターフェースの検討を行う。
20 一品生産に特化したCAMソフトウェアの開発 神戸大学 助教 西田 勇
研究要約
現状のCAMソフトウェアは大量生産向けの部品加工に特化して開発が進められてきた.そのため,CAMオペレーションに要する時間とコストを鑑みると,必ずしも金型製作などの一品生産に最適であるとは限らない.そこで本研究では,一品生産に特化したCAMソフトウェアの開発を行う。
21 大気圧熱プラズマビームの局所照射技術と金属表面反応の研究 広島大学 助教 花房 宏明
研究要約
本研究は大気圧熱プラズマビームを磁場で制御する研究を行い、局所的な加熱を実現する熱処理技術の開発を目指す。また、それらを機械作製に用いられる金属等の熱処理加工に適用し、表面反応や結晶状態の評価を行う。これらを通じ、次世代の省エネルギー・循環型社会を担う新しいアニール装置開発を目標とする。
22 液相法を用いた正極活物質ナノ粒子の創製と全固体電池への応用 豊橋技術科学大学 助教 引間 和浩
研究要約
硫化物固体電解質を用いた全固体電池は,既存のLi 電池を凌駕する出力特性を発現するがエネルギー密度に課題がある.イオンや電子伝導度が低くナノオーダーの薄膜でのみ電気化学活性なLi2MnO3 を,工業的に有利な液相法でナノ粒子を合成し,全固体電池に応用することを目的とする.高エネルギー密度全固体電池の実現を目指す。
23 蓄積動作可能なpチャネルGaN MOSゲートスタックプロセスの開発 東京工業大学 助教 星井 拓也
研究要約
本研究では、窒素を用いた原子層エッチングなどを用いることで、pチャネル窒化ガリウム(GaN)デバイスのための高品質なリセスMOSゲートスタックプロセスを開発し、GaN p-MOSFETの性能を向上させる。MOS界面での理想的な蓄積状態を実現することで、FETデバイスの駆動電流の倍化を目指す。
24 マグネシウム合金中の水素可視化技術の構築 新居浜工業高等専門学校 助教 真中 俊明
研究要約
マグネシウム合金は構造用材料として長らく期待されてきたが、応力腐食割れが実用上の課題である。その亀裂進展は水素脆化によると考えられているが、マグネシウム合金中の水素挙動はほとんど調べられていない。本研究では、マグネシウム合金中の水素を金属組織と対応させながら可視化する手法を構築することを目的とする。
25 自動車運転中の心電図計測に向けた人体/自動車の複合回路モデリングに基づくノイズ抑制 東京理科大学 助教 村松 大陸
研究要約
運転者の心拍間隔の揺らぎを測定することで傾眠状態を検出し居眠り運転を防止できるが,実用には心電図の連続測定が可能な電極配置と車内ノイズ対策が必須となる.本研究では運転中心電図計測に向け,人体/自動車の複合回路モデリングを経て静電誘導ノイズの侵入経路を解明し,三層構造の容量結合電極でノイズを抑制する。
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過去の助成実績

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