助成実績 課題提案型研究助成

社会発展の基礎を築く研究を課題提案の形式により研究活動に携わる研究者から広く募り、優れた提案に対し研究助成を行うもので、従来の研究助成に加えて平成15年度から実施した。
年 | 募集課題 | 研究テーマ | 研究代表者 |
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平成15年 2003年 |
環境 | 軽・小型車排気ガス浄化システムの開発 | 静岡大学 須藤 雅夫 教授 |
平成16年 2004年 |
軽量化 | 発泡アルミニウムの金型成形法の開発 | 大阪大学 小坂田 広造 教授 |
平成17年 2005年 |
安全 | 車載センサーフュージョン技術を用いた走行環境検知システムの開発 | 熊本大学 内田 圭一 教授 |
平成18年 2006年 |
環境 | リチウム二次電池のクリーンカー搭載にむけたオリビン型正極材料の高性能化 | 東京工業大学 谷口泉 助教授 |
溶存金属種の構造・機能の制御による貴金属低減・フリーの高機能性自動車排気ガス浄化触媒の開発 | 東京大学 水野哲孝 教授 |
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平成19年 2007年 |
軽量化 | 鋳巣の三次元的形状・分布を考慮したアルミニウム合金ダイカストの疲労設計に関する研究 | 東京大学 吉川暢宏 教授 |
超ナノ微結晶ダイヤモンド膜を機械部品・金型に強付着強度でコーティングするための中間層の研究開発 | 九州大学 吉武剛 准教授 |
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平成20年 2008年 |
安全 | 路面状態教示制御と仮想ステアリング特性制御の相互干渉制御による小型電気自動車の安全走行支援制御の実現 | 慶應義塾大学 村上俊介 教授 |
生体内温度予測プログラムをコアにした次世代自動車の温熱環境評価・制御支援システムの開発 | 北海道大学 横山真太郎 教授 |
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平成21年 2009年 |
環境 | 非鉛系IV-VI族半導体高性能熱電変換材料の開発 | 静岡大学 石田明広 教授 |
平成22年 2010年 |
軽量化 | プラスチック材料に耐擦傷性・耐候性を付与する有機・無機ハイブリッドコーティング材の設計指針構築 | 関西大学 幸塚広光 教授 |
ベニア板構造を形成する新規ポリプロピレン成形体の研究開発とその応用 | 北陸先端科学技術大学院大学 山口政之 教授 |
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平成23年 2011年 |
環境 | ナノ粒子の凝集制御による新規金属ー空気電池用電極材料の開発に関する基盤研究 | 静岡大学 鈴木久男 教授 |
平成24年 2012年 |
安全 | 交通事故回避・低減のための環境認識と回避制御システムに関する研究 | 神戸大学 深尾隆則 准教授 |
平成25年 2013年 |
軽量化 | 実用応力経路を受ける自動車用材料の破断限界の基礎研究 | 東京農工大学 桑原利彦 教授 |
自動車の軽量・高機能化を実現する方向性気孔を有するポーラスアルミニウムの開発 | 早稲田大学 鈴木進補 教授 |
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平成26年 2014年 |
環境 | 電気自動車へのワイヤレス送電に関する研究 | 静岡大学 桑原義彦 教授 |
火花点火エンジンにおける燃焼のサイクル変動とその予測に関する研究 | 京都大学 川那辺洋 准教授 |
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平成27年 2015年 |
高齢者、身体障碍者の 自律的な生活確保に つながる移動体の安全技術、 及び2020年実際に使用されること 目指した補装具 |
ドライバと自動車・自動車と自動車の共進化を可能とする高度運転支援システムの開発 | 慶應大学 大前学 教授 |
高齢ユーザの移動の質向上を目指した長期利用可能なモビリティ | 東京大学 小竹元基 准教授 |
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運動フォームと機構の同時最適化による競技者へ適合するスポーツ義足の設計開発 | 首都大学 長谷和徳 教授 |
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平成28年 2016年 |
軽量化 | プレスを用いたヘミングにより接合された高強度鋼中空軽量部材の開発 | 豊橋技術科科学大学 安倍洋平 准教授 |
有機超弾性によるスマートな擬弾性材料の開発 | 横浜私立大学 高見澤聡 教授 |
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平成29年 2017年 |
安全 | 自動運転車と人間の相互理解に基づく協調型自動運転技術 | 立命館大学 和田隆広 教授 |
運転者や同乗者の心理および生理状態をモニタリングできるセンシング技術の開発 | 筑波大学 星野聖 教授 |
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平成30年 2018年 |
環境 | エンジン用ピストンおよびピストンリング周りの油膜形成機構の解明 | 群馬大学 石間経章 教授 |
プラズマ応用による革新的高効率エンジンの実現とその燃焼機構研究 | 日本大学 飯島晃良 准教授 |
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過熱水蒸気を原料とするプラズマメンブレンリアクター高純度水素製造装置の開発 | 岐阜大学 神原信志 教授 |
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グリーン水素利用を加速する先進型燃料電池の開発 | 横浜国立大学 松澤幸一 准教授 |
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令和元年 2019年 |
軽量化 | 増肉およびオースフォームによる組織強化を用いたテーラードホットスタンピング法の開発 | 横浜国立大学 前野智美 准教授 |
接着界面の分子構造・動態解析に基づく高耐久性接着材料の開発 | 三重大学 藤井義久 准教授 |
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全固体アルミニウムイオン電池の基盤技術開発 | 静岡大学 孔昌一 教授 |
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鋳造用・塑性加工用アルミニウム合金の統合とニアネット鋳造素材による塑性加工の省工程化 | 大阪工業大学 羽賀俊雄 教授 |
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令和2年 2020年 |
自動車に代表される移動体の 情報・通信、 および移動体の制御 |
自動運転技術の物流拠点における適応を目指した移動物体認識技術の開発 | 金沢大学 菅沼直樹 教授 |
ゲートウェイ用低コスト高セキュリティ省電力Switch-IPの開発 | 岡山県立大学 有本和民 教授 |
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路面摩擦係数のリアルタイム測定が可能なインテリジェントタイヤによる車両制御の実現 | 金沢大学 立矢宏 教授 |
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次世代移動体用磁気式内部力補償ブレーキ機構・制御の技術開発 | 東北大学 多田隅健二朗 准教授 |
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令和3年 2021年 |
自動車に代表される移動体の 環境負荷改善、 および使用するエネルギーの 低減に関して想定される課題 |
中低温での二酸化炭素還元触媒の開発 | 千葉大学 大場友則 准教授 |
リチウム金属を負極とするバルク型酸化物系全固体電池の創製 | 長崎大学 山田博俊 准教授 |
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精密構造化貴金属タングステートによる廃棄物系バイオマス燃料電池電極触媒への展開 | 静岡大学 加藤知香 准教授 |
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ライフサイクルアセスメントを考慮した運輸部門シュミレーションモデルをシナリオの開発 | 東京工業大学 時松宏治 准教授 |
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令和4年 2022年 |
自動車に代表される移動体の 安全技術、情報・通信・制御等 の技術、およびそれらの技術を使った 自動運転技術、人間工学技術、 事故防止技術、もしくは事故の被害 を低減する技術などに関して想定 される課題 |
深層学習手法を用いたドライブレコーダ画像に基づく歩行者傷害予測アルゴリズムの構築 | 日本自動車研究所 國富将平 研究員 |
感染症対策と運転者の認知判断能力維持のための車内CO₂濃度の適切化 | 近畿大学 島崎敢 准教授 |
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注意を考慮したリスクの高い歩行者の移動予測手法の開発 | 東北大学 田村雄介 准教授 |
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動画像中から雨・雪・霧を除去する画像処理と悪天候時における運転支援技術の開発 | 横浜国立大学 岡嶋克典 教授 |
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令和5年 2023年 |
自動車に代表される移動体の環境負荷改善、および使用するエネルギーの低減に関して想定される課題 | 革新的ハニカム多孔体による低コスト・高効率パッシブ冷却技術開発 | 九州大学 森 昌司 教授 |
燃料電池自動車の普及を加速させる高活性及び高耐久性を有する酸素還元電極触媒の創出 | 東京理科大学 根岸 雄一 教授 |
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ハイブリッドパワートレインシステムの諸元探索手法の開発と軽自動車への応用 | 産業技術総合研究所 水嶋 教文 主任研究員 |
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無水高温型PEMを有効活用するための燃料電池構造・全体システムの開発 | 北海道大学 田部 豊 教授 |
(助成期間:2023年8月〜2025年5月)
(大学名等および役職は申請時のもの)
本課題では、環境負荷低減とエネルギー消費の削減を目指す革新的パッシブ冷却技術を開発する。申請者が独自に提案するハニカム冷却技術により沸騰冷却の限界を従来比5倍(500W/㎠)まで向上させた。本課題では、新たに電解析出の自己組織化現象を活用しハニカム多孔質体内部構造を緻密に制御することで、超高熱流束除熱〈従来比10倍(1000W/㎠)〉を実証する。
2050年におけるカーボンニュートラルの実現を目指し、2030年以降の燃料電池自動車の普及拡大に繋がる高機能な酸素還元電極触媒の創製に取り組む。具体的には、白金(Pt)担持触媒の構成原子数制御、合金化、メラミン修飾、担体加工により、2030年目標である1740A/gの2倍の3480 A/gPtの質量活性と市販のPt NPs/CBよりも高い耐久性を有した酸素還元電極触媒を創製する。
2035年電動車義務化に向けて軽自動車の電動化対策は急務である。本研究はエンジン・車両シミュレーションモデルと品質工学ツールを連携させることで、パラレルハイブリッドシステムの出力制限を考慮したモータ、バッテリー、エンジン諸元の同時探索手法を開発し、軽自動車に応用する。エンジン諸元については冷却損失低減のため排気量拡大を視野に入れ、出力制限のためのミラーサイクル化と圧縮比向上の最適解を探索する。
120℃以上でも運転可能な無水高温型PEM燃料電池は、外気との温度差を従来型の2~3倍とすることで冷却能力を格段に向上させられる他、加湿器・加湿制御の廃止、改質器の簡素化、使用できる燃料の選択肢拡大などの利点を有する。本研究では、無水高温型PEM燃料電池における外気温度からの起動時の凝縮水排出促進構造、高温運転時の酸素輸送促進構造、および無水高温型PEM燃料電池を有効活用するための最適なFCシステムを提案する。