助成事業

助成実績 科学技術研究助成

2020年度 科学技術研究助成<一般>

(助成期間:令和3年4月1日〜令和4年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 自動車用摺動部の高エネルギー効率化を達成する高耐久性固体潤滑薄膜の創製 広島大学 准教授 曙 紘之
研究要約
本研究では,元素拡散プロセスEDPにより,基材と極めて強固に密着した固体潤滑薄膜を創製することを目指す.これにより高い耐久性を発現する固体潤滑薄膜成膜技術を確立し,自動車摺動部の摺動時エネルギー損失の低減,すなわち高エネルギー効率化を達成し,地球環境問題へ大きく寄与することを目指す。
2 高温における三次元ひずみ分布イメージング手法の確立 東京理科大学 専任講師 井上 遼
研究要約
1000℃を超える環境で材料表面を可視化できる高温観察装置を利用し、複雑形状を有する材料に生じる高温三次元変形分布をその場計測可能なシステムを開発する。計測精度を明らかにすると同時に、セラミックス複合材料の高温三次元変形計測に適用し、計測システムの有用性を実証する。
3 高周波大気圧プラズマを局所照射可能な超微細加工装置の開発 静岡大学 教授 岩田 太
研究要約
本課題は先端にサブマイクロメートル程度の微細開口を有するナノピペット先端から高周波の誘導結合型大気圧プラズマを局所照射することで、高効率な超微細な表面微細加工を実現することである.走査型プローブ顕微鏡技術を活用することで,高精度な位置決めと観察を可能にした超精密な微細加工・観察システムを開発する。
4 テーラーメイドテクスチャリングによる自動車用エンジン摺動面の超低摩擦化技術の確立 名城大学 教授 宇佐美 初彦
研究要約
微細断続切削によるテクスチャリング技術(タイリング)を自動車エンジン摺動面に適用し,種々の運転条件で従来比1/10以下の摩擦抵抗を実現する表面形状を提案する.さらに,軌道停止時の摩擦抵抗低減を目的として固体潤滑材との複合化や,転がり軸受軌道面や案内面等の他の摩擦面への適用可能性を検討する。
5 太陽光励起レーザのための波長選択による新しい太陽光キャビティの開発 東京工科大学 准教授 大久保 友雅
研究要約
サステイナブル社会実現のために不可欠である無尽蔵だが利用性の低い太陽光を,利用性の高いレーザ光へと電気を介さずに変換することを目指す太陽光励起レーザの研究開発を提案する.本研究ではレーザ媒質への太陽光の高効率な吸収を実現する波長選択による新しい太陽光キャビティの開発を行う事を目的とする。
6 小型ATVの悪路走破性能向上に関する研究 神奈川工科大学 准教授 岡崎 昭仁
研究要約
自然災害が散見される中、悪路を走破して災害地へ向かう車両のニーズは高い。スズキジムニーでも走破できない悪路走破を目的に、保管や取り扱いが比較的しやすい小型ATVを電動駆動化し、かつ考案した新型サスペンション装置を組み込んだ実験車両を構築し、広く使える災害対策支援車両の実験的研究を行う。
7 ワイヤ断線レス高性能放電加工のための加工液最適フラッシング法の研究 岡山大学 教授 岡田 晃
研究要約
金型加工に多用されるワイヤ放電加工では,工作物厚さの変化する段差加工においてワイヤ断線が生じやすく,大きな問題となっている.本研究では,数値流体解析により加工粉排出挙動を解明してワイヤ断線の要因を詳細に検討するとともに,ワイヤ断線レスの高性能加工実現のための最適加工液フラッシング法を明らかにする。
8 計測と解析を融合した空冷式燃料電池内の水移動現象の見える化 慶應義塾大学 准教授 小川 邦康
研究要約
小型軽量な空冷式燃料電池は空気中の酸素をMEAに供給し、空気に水を放散し、放熱する。燃料電池の出力向上にはMEAを乾燥させることなく、放熱と水排出を行う必要がある。NMRコイルで発電電流と水分布を、LDVで空気流速を計測する。計測結果と数値解析を融合させて空気流量とセパレータ形状に依存した水移動現象を見える化する。
9 データ同化を援用したボルト・接着併用接合評価システムの開発 東京都市大学 准教授 岸本 喜直
研究要約
ボルト・接着併用接合においても接合部の強度と剛性を支配するボルト・ナットの締付力の制御と評価が求められている.本研究はデータ同化を援用して評価対象の固有振動(固有振動数,減衰比)からボルト・ナットの締付力と接合界面の状態(応力分布,弾性係数,粘性係数)を逆解析的に同定する接合評価システムを開発する。
10 水素混合によるアルミニウム粉体の燃焼特性と火炎伝播メカニズムの解明 広島大学 助教 KIM WOOKYUNG
研究要約
アルミニウム粉体の燃焼が激しい粉塵爆発を起こすことに着目した発想から、アルミニウム粉体の激しい燃焼を水素混合により制御 し、アルミニウム粉体を燃料とした新エネルギー生産サイクルシステム開発を目指している。本研究では、微小重力場を活用することにより、アルミニウム粉体の燃焼特性および火炎伝播メカニズムを解明する。
11 Tachi‐Miura多面体に基づく軽量セル構造体を用いた衝撃吸収機構の設計 金沢大学 助教 國峯 崇裕
研究要約
人工衛星のパネルの展開に採用されたミウラ折りを基本構造とする Tachi-Miura多面体(TMP)は,展開収縮機能を有するセル構造体である.本研究ではTMPに基づく軽量セル構造体を用いた衝撃吸収機構の設計を行い,積層造形技術で作製したセル構造体の衝撃吸収特性を衝撃試験で評価し,衝突安全性に優れた軽量構造部材の創出を目指す。
12 超短時間浸炭焼入れ鋼の疲労信頼性の評価 慶應義塾大学 教授 小茂鳥 潤
研究要約
我々はこれまでに,不活性雰囲気下で高周波誘導により加熱した金属に炭素の微粉末を投射し,数分単位の超短時間で被処理面に炭素成分を拡散するプロセスを開発した.本申請では,かかる処理の小型歯車に実用化を目的として,炭素拡散後に急冷した試験片の疲労信頼性を解析し,安全性確保に向けての指針をまとめる。
13 データ駆動型冗長系設計と精密位置決めシステムへの応用 兵庫県立大学 准教授 佐藤 孝雄
研究要約
従来のデータ駆動設計は目的関数のみを最適化する方法であり、制約条件とのトレードオフ設計を非一様周期の操業データのみから実現する方法は全く検討されていない。そこで、本申請では、操業データのみで耐故障性と生産性のトレードオフ設計を可能とする非一様周期系のデータ駆動に関する研究を行う。
14 高精度・高効率なレーザ金属積層造形技術の開発 大阪大学 准教授 佐藤 雄二
研究要約
レーザ金属積層造形(SLM)は、溶融・凝固を伴うプロセスであるため熱歪が避けられない。しかも金属粉末の光吸収率は温度に依存するため入熱量が不均一となり、これが不均一な金属組織形成に起因する。そこで①金属の光吸収率の波長・温度依存性を明らかにし、②レーザの入熱量を精密に制御したスパッタSLM法を開発する。
15 振動制御のための初期応力を有するバイメタルからなる自動車部品における新たな形状最適設計手法の創生 公立小松大学 助教 史 金星
研究要約
資源利用効率を向上させるため、本研究では、バイメタルからなる自動車部品を設計対象として、初期応力と重量制約を考慮しつつ、振動制御問題に対する新たな形状最適設計手法を創立し、異なる材料の材料性能を無駄なく最大限に発揮させる超軽量構造設計を行う。これにより、自動車部品の高性能化と省資源化の両立を目指す。
16 副室トーチ火炎を用いた能動的熱発生率制御による等温燃焼技術の構築 大分大学 教授 田上 公俊
研究要約
本研究は熱損失の低減および耐ノッキング特性の向上のために,熱発生率を能動的に制御することで理想的な燃焼過程を実現するための革新的燃焼制御技術に関する研究開発である.トーチ火炎を用いてエンジンの熱発生率を能動的に変化させることで,高効率な燃焼過程の実現が可能となる。
17 固体材料の燃焼限界付近の燃焼不安定性に及ぼす重力の影響 東京大学 准教授 中谷 辰爾
研究要約
アクリル樹脂やポリエチレン等の材料の燃焼限界付近の非定常燃焼挙動や燃焼限界に及ぼす重力の影響を調べるため,ロッドおよび平板材料の下方伝播試験を実施する.消炎や吹飛び時の限界酸素濃度をモデル化し,ベイズ統計学的アプローチにより燃焼限界の不確実性を考慮した火災安全評価手法を構築する。
18 超磁歪アクチュエータを用いた超小型EVの車内音響制御に関する研究 東海大学 講師 成田 正敬
研究要約
本研究は超小型EV の車内騒音を制御するために車体の壁面に設置した超磁歪アクチュエータによる壁面振動を利用した制御音波の出力により車内音響制御を行う。車内音響制御では騒音の音圧レベルを小さくする「静音化」だけでなく乗員の生体情報をもとに心理状態に合わせた音環境を提供できる「快音化」を目指した研究である。
19 セルフパワー型ウイルスの高感度検出技術の開発 静岡大学 教授 朴 龍洙
研究要約
新型コロナウイルスによる感染者は、世界全体で2千百万人、死者77万人(令和2年8月15日)と確認され、治まる気配はない。治療薬がない状況下では、早期に感染者を発見し隔離する以外は感染を阻止する方法がない。本研究では、電源を必要としない電気化学的高感度ウイルスの迅速検出系を開発し、災害時有用性を示す。
20 壁面境界がアンモニア層流火炎の燃焼生成ガス特性に及ぼす影響 東北大学 准教授 早川 晃弘
研究要約
カーボンフリー燃料であるアンモニアの実用化のためには,未燃アンモニアと窒素酸化物の同時低減が必要である.実燃焼器では,壁面の影響によって未燃アンモニアやN2O が増大する可能性がある.本研究では壁面温度が制御可能な平面よどみ流バーナーを用いて,壁面境界条件と燃焼生成ガス特性の関係を解明する。
21 ディーゼルエンジンのブローバイガス除湿装置の開発 北見工業大学 教授 林田 和宏
研究要約
寒冷地における冬季のディーゼルエンジン運転時は,暖機や軽負荷運転中にエンジンから排出されるブローバイガス中の水蒸気が流路内に着氷し,エンジントラブルを発生させる場合がある.このトラブル回避を目的として,本研究ではブローバイガスの湿度を効果的に低下させる小型・メンテナンスフリーの除湿装置を開発する。
22 全天球シーンの携帯端末への効果的提示方法に関する研究 九州大学 准教授 原 健二
研究要約
全天球画像を小サイズの短時間動画に要約する携帯端末向け全天球シーン動画要約システムを開発する。その中核的要素技術として被覆制約付き球面内巡回路問題による定式化と実測の視線追跡データに基づく機械学習を用いた全天球シーンにおける仮想視点の経路・速度計画手法を開発する。
23 水素用アルミニウム合金における応力腐食割れ進展特性の高精度評価法の確立 静岡大学 准教授 藤井 朋之
研究要約
本研究では,水素貯蔵容器用アルミニウム合金における応力腐食割れによるき裂進展特性の高精度な評価法を確立する.まず,材料の弾塑性変形を考慮した破壊力学パラメータを新規に提案する.次いで,様々な力学的条件でき裂進展試験を行い,本パラメータを用いて条件によらずき裂進展特性を評価できる手法を構築する。
24 超軽量柔軟多価イオン伝導性固体電解質の開発 大阪工業大学 特任准教授 平郡 諭
研究要約
地球温暖化防止に向けた二酸化炭素排出量の削減において二次電池を効果的に活用したエネルギーの高効率利用は極めて重要である。本研究課題は、C60フラーレンポリマーを次世代全固体電池の電解質として用いることを提案する。レアメタルや有毒元素を用いない革新的材料の開発を通して人類と社会の発展に貢献する。
25 ハイブリッド熱分解法によるCFRPリサイクル技術の最適化 香川大学 講師 松田 伸也
研究要約
CFRPリサイクルのために電気処理を援用した熱分解法を最適化することを目的する.はじめに,CFRPの吸水特性を活用した電気処理によるピーリング効果を検討する.次に,熱分解法のメカニズムを解明し,炭素繊維の損傷およびそのばらつきが少ない電気,吸水率および熱処理条件を見出す。
26 感圧センサーシートの開発による空力画像計測の実用化 早稲田大学 准教授 松田 佑
研究要約
早稲田大学松田が有する感圧塗料を用いた圧力分布計測法技術と,東海大学砂見准教授が有する薄膜シート作製技術を融合し,空力計測技術として高い需要が想定される感圧塗料技術を容易に利用可能とする,感圧センサーシートを開発する.これにより,研究室レベルでの利用に留まっている感圧塗料計測技術の実用化を目指す。
27 高周波数領域のタイヤ振動特性の実験同定 豊橋技術科学大学 助教 松原 真己
研究要約
自動車用タイヤの振動特性は車外騒音特性に大きな影響を持つ.一方で,タイヤは高減衰構造物であり,騒音問題となっている高周波数領域において振動特性を把握することは困難である.本研究では,不減衰化加振システムから得た振動形状を基に,振動特性を同定する新しい手法を提案し,その妥当性を検証する。
28 適応共鳴ネットワークの多層化による運転エピソードの構築 秋田県立大学 准教授 間所 洋和
研究要約
本研究では適応共鳴ネットワークを多層化し,深層学習によるエピソード記憶のモデリングを目指す.本モデルを用いた運転エピソードに基づき,ドライバの内面状態の描写を目的とする.ドライビングシミュレータと実車での実験を通じて,表情空間マップとコンテクストマップから,脳の賦活部位との関係性を解析する。
29 ハイブリッド自動車のプラントモデル開発および電動過給機・電動EGR過給機の適用可能性に関する研究 産業技術総合研究所 主任研究員 水嶋 教文
研究要約
Modelica言語のオープンソース・ソフトウェアを用いてハイブリッド自動車のプラントモデルを開発するとともに、マイルドハイブリッド自動車用エンジンに電動過給機と電動EGR過給機を適用した際のエンジン熱効率改善効果と車両燃費改善効果を解析し、燃費改善に資するエンジンへの電力利用方法を提案する。
30 次世代3Dプリンタのための原料粉末の設計 豊橋技術科学大学 教授 武藤 浩行
研究要約
積層造形(3Dプリンタ)は、高付加価値製品を創製する次世代モノづくりツールとして期待されている。本研究では、積層造形物の高品質化、多品種化、高機能化を一気に達成するための粉末集積化技術の確立による3Dプリンタ用原料粉末を開発することを目的とする。
31 多成分スラリーの沈降静水圧測定による粒子集合状態評価技術の確立と製造プロセス高度化への応用 法政大学 教授 森 隆昌
研究要約
Li イオン電池電極をはじめとする多成分粒子からなるスラリーの粒子分散状態を定量評価する手法を確立する。スラリーの沈降静水圧及び流動曲線を測定し、スラリーの直接観察を合わせて行うことで、粒子分散度を数値化する。提案する粒子分散度を用いて電極特性を予測し、試行錯誤によらないスラリー最適化手法を確立する。
32 三次元ステレオカメラモーション高速診断によるCOVID-19環境下での在宅高齢者の肺炎予防技術と、運転者見守り技術への展開 東北大学 教授 山家 智之
研究要約
世界からCOVID-19等の感染症を根絶することはできない。高齢者は肺炎が重症化することが多く最後の一撃は誤嚥になる。東北大学は、AIと情報処理により嚥下、蠕動運動を、体外から定量診断するシステムを発明し、特許を所得した(6683367)この発明により、高齢者を誤嚥から見守るシステムが具現化し、運転者の見守りにも貢献する。
33 加齢にともなう皮膚粘弾性低下は筋形状変化と力調節能の低下を起こすか? 信州大学 教授 吉武 康栄
研究要約
本研究では,「高齢者において骨格筋を取り巻く皮膚や筋膜のパッキング作用の低下によって筋が歪に変形すること,そしてその変形が力調節能を低下させる」という萌芽的な研究課題に取り組む.本研究では,高齢者の交通事故の多くを占めるペダル操作ミスは,筋形状変化に由来するかどうか筋メカニクスと電気生理学的手法により検証する。
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2020年度 科学技術研究助成<若手>

(助成期間:令和3年4月1日〜令和4年3月31日)

(大学名等および役職は申請時のもの)

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研究課題 大学名等 役職 氏名
1 オートエンコーダによる噴霧液滴自着火モードの検知 九州大学 助教 安藤 詩音
研究要約
本研究では噴霧燃焼における液滴の自発点火挙動を光学手法によって可視化し,点火挙動における液滴干渉効果を明らかにすることを目的とする.撮影画像に深層学習の一手法であるVAEとLSTMを適用することで,点火時刻および点火位置を定量的に把握する.本研究で得られる知見は噴霧燃焼モデリングの研鑚に寄与する。
2 キャビテーション処理を施したはすば歯車表面の圧縮残留応力に関する研究 東京電機大学 助教 井尻 政孝
研究要約
工業界では環境負荷低減・省エネルギー化の観点から動力伝達用歯車装置の軽量化への要求が高まっている.この要求を満たすには歯面粗さを低減し,高い負荷能力を有する歯車が有効であると考えられる.本研究では機能性キャビテーションを施したはすば歯車の歯先および歯底に付与される圧縮残留応力分布について検討する。
3 歩行時の疼痛軽減を目的とした正常歩行へ誘導可能な装着型ロボット装具の開発 青山学院大学 助教 伊丹 琢
研究要約
本研究では,我が国において喫緊の課題である超高齢社会における高齢者の長期的なQOL(生活の質)向上を目的に,歩行中の踵-下腿部の動的変化による足底圧軌道の変化に着目し,骨レベルで3次元かつ動的に正常へ誘導することで歩行中の足底圧軌道を常に正常へ誘導することが可能な装着型ロボット装具の開発を行う。
4 汎用ビデオカメラを利用した傾動式注湯プロセスのオフライン解析 東京都立産業技術高等専門学校 助教 伊藤 敦
研究要約
鋳造業において溶融金属を注ぐ傾動式注湯プロセスについて,汎用ビデオカメラで集録した映像の画像解析を用いた,オフラインのプロセス解析手法を確立する.多項式補間を利用するデータ同期手法を考案し,カメラ情報と制御・計測情報との同期を取ることにより,注湯プロセス解析の高精度化や取得情報量の増加を目指す。
5 全固体型臭化物シャトル電池の創製 九州大学 助教 猪石 篤
研究要約
高電圧な全固体型臭化物シャトル電池の構築に向けて、電位窓が広く、かつ高い臭化物イオン伝導性を示す固体電解質の探索を行う。具体的には、ペロブスカイト型の材料を探索し、合成にはメカニカルミリング法を用いる。最終的には、例えばMg負極とBi正極を組み合わせた2 V程度の全固体電池の動作実証を目指す。
6 力覚呈示によるパーソナルモビリティの運転操作支援システムの開発 産業技術総合研究所 研究員 大石 修士
研究要約
パーソナルモビリティの安全な運転に向けた,力覚呈示による操作支援システムを開発する.センサから周囲状況を把握し,搭乗者の操作を任意のコストマップ上で評価することで,衝突回避だけでなく,他者のパーソナルスペースや危険領域への侵入を防ぐような,自由度の高い仮想抵抗が設計可能な支援システムを目指す。
7 高成形性および高生産性を実現する逃げ有りパンチを用いた管の口広げ加工 電気通信大学 助教 梶川 翔平
研究要約
成形性および生産性に優れた新たな管端加工法として,逃げ有りパンチを用いた回転口広げ加工を開発する.逃げ有りパンチの形状が成形性に及ぼす影響を実験および有限要素解析によって調査することによって,適切なパンチ形状を明らかにする.さらに,偏心や段付きなど様々な口広げ形状への適用可能性についても調査する。
8 とろみ調整食品の迅速粘度調整技術の開発 明治大学 助教 鎌田 慎
研究要約
高齢者をはじめ誤嚥リスクがある人のために飲料のとろみ(粘度)を調整する増粘剤が用いられ,各人に適した粘度に調整する.しかし,人の手で粘度の高い液体を混合し調節するには均一性の確保が難しい.そこで,粘性計測とマイクロスケール混合から,均一で狙った粘性率の液体を短時間に生成する装置を開発する。
9 コリオリ力とばね力を切替・併用するセミアクティブ動吸振器 茨城大学 助教 北山 文矢
研究要約
快適性・安全性のためにゴンドラや船舶で回転揺動振動の低減が求められている.本研究では,質量要素の動作方向を逐次変更するセミアクティブ動吸振器を開発する.動作方向を変えると,振動を抑制する力の種別(ばね力,コリオリ力,合力)も切り替わる.この効果を利用して広い周波数域の揺動振動を著しく低減させる。
10 感温性塗料を用いた伝熱実験に基づく高機能性マルチスケール粗面の創生 大阪府立大学 助教 桑田 祐丞
研究要約
本研究では,感温性塗料と3Dプリンタ技術を応用した実験に加えて,最前線のスパコンシミュレーションを応用して,様々なスケールの凹凸を持つマルチスケール粗面が伝熱や流動に及ぼす影響を調査する.実験で得られた情報を用いて,少ない圧力損失で高い熱伝達性能をもつ高機能性粗さ面の創生を目指す。
11 高い衝突安全性能を有するポリマーラティス構造部材の創出 中央大学 助教 小島 朋久
研究要約
自動車の軽量化および安全性向上の両立のため,軽量で衝撃吸収性能の高いポリマーラティス構造部材を創出する.トポロジー最適化を用いてラティス構造を設計し,クラッシュボックスを想定した金属フレーム内にポリマーラティス構造を充填してフレームとラティス構造の相互連成作用を利用し衝撃吸収性能の向上を目指す。
12 燃焼反応における官能基含有多環芳香族炭化水素の生成挙動の解明に向けた新規分析手法の開発 産業技術総合研究所 研究員 鈴木 俊介
研究要約
粒子状物質の前駆体の一つであるにも関わらず、燃焼反応中の生成機構がほとんど分かっていない官能基含有多環芳香族炭化水素(官能基含有PAH)の生成挙動の解明に向けて、簡便・小さい誤差・高い分子選択性などの特徴を持った光イオン化ガスクロマトグラフ質量分析計をキーテクノロジーとした新規分析手法を確立する。
13 高強度・高信頼性を有する接着接合材創成のための表面処理技術の開発 京都工芸繊維大学 助教 武末 翔吾
研究要約
本研究は,静的および繰返し荷重に対して高い強度と信頼性を有する金属の接着接合材を創成することを目的とする.その方法として,粒子を投射し表面に凹凸を形成させるブラスト処理と,有機物などの汚れを除去し表面を親水化できる大気圧プラズマ照射を組合せた表面処理を提案し,その効果について検討する。
14 加熱空気噴流を用いた熱流束較正技術の開発 滋賀県立大学 講師 出島 一仁
研究要約
熱流束センサの較正技術を開発する.加熱空気噴流によって熱流束を付与することで,簡便さ,低価格,高い汎用性が期待できる.加えて,積層薄膜抵抗体式の熱流束センサを製作する.抵抗体式センサはジュール発熱を利用した自己較正が可能なため,噴流で付与される熱流束がいくらかを求める標準センサとして利用する。
15 安全・安心な全方向パーソナルモビリティ開発に向けた新原理車輪機構の制御法構築 京都大学 助教 寺川 達郎
研究要約
事故や渋滞などの交通問題を解消する移動手段としてパーソナルモビリティの開発が求められている。本研究では、申請者が考案した新原理車輪機構の特長を活用し、高い回避能力を実現する制御法とロバストな滑り検知補償システムを構築する。これにより、安全・安心に利用できるパーソナルモビリティの実現を目指す。
16 圧縮ねじり加工法を活用した材料組織制御によるアルミニウム合金の高性能化 名古屋工業大学 助教 成田 麻未
研究要約
本研究では, 圧縮ねじり加工法を用いてアルミニウム切削屑の固化成形を行い,固相リサイクルプロセスとしての圧縮ねじり加工の有用性,ならびに固化成形材の特性について系統的な評価を行う。加えて,バイオマス由来材料として米ぬか粉を用い,アルミニウム切削屑と混合した複合材料を作製し,材料の特性評価を行う。
17 熱配管曲面に装着可能な電子輸送型炭素シートの機能化に伴う自動車廃棄熱の発電技術 山陽小野田市立山口東京理科大学 助教 秦 慎一
研究要約
本課題は自動車等の熱配管から排出される未利用排熱から高効率に電力を得ることを目的とし、軽量かつ柔軟な炭素材料による発電技術を構築する。特に、開発が難しいとされる電子輸送型炭素材料の熱電特性の改善に注力する。これにより、これまで最大の100 W程度だった熱電発電モジュールで得られる電力を1 mWまで向上させる。
18 自動車駆動用インバータに使用するコンデンサの小型化と低コスト化の検証 名古屋工業大学 助教 松盛 裕明
研究要約
自動車のモータ駆動用イ ンバータに使用するコンデンサの小型化・低コスト化に関する研究を行う。自動車駆動用インバータはフィルムコンデンサを大量に使用されることから大型で高コストである 。本研究ではコンデンサの実動作条件を解析し低コストかつ自動車用途として必要な信頼性を担保できるコンデンサの設計を行う。
19 運動共感に着目しデザインした人工物の実生活空間における実証研究 慶應義塾大学 特別研究員PD 三好 賢聖
研究要約
COVID-19 感染拡大に伴う外出自粛や生活様式の変化において、豊かな身体的経験の重要性が今まで以上に強く再認識された。本研究は、運動共感という身体感覚に着目し設計された人工物の、実生活空間における有用性と課題を明らかにすることで、身体性を重視したデザインに関する知見を実世界へ還元することを目指す。
20 IoT機器同士の決済サービスの実現に向けた高信頼ブロックチェーンシステム 富山県立大学 助教 森島 信
研究要約
国民生活用機械同士のネットワークであるIoTを用いたサービスにおける決済等のためにブロックチェーン技術が期待されているが、承認された不正な取引を修正できない問題がある。本研究では、既存手法では困難であった小規模な取引に焦点を当て、異常な取引を検出し、承認前に修正して不正取引を防ぐ手法を提案する。
21 樹脂フィルムへのテクスチャリングで製作可能な極薄アクチュエータの開発 岡山大学 助教 山口 大介
研究要約
フィルム表面に模様を付加しつつ溶着することで大きな変形を産み出すテクスチャードアクチュエータの開発を行う.極薄・極軽量,柔軟かつ最大長と厚みが1,000 倍以上異なる超高アスペクト比を実現可能なため,昆虫型ロボットや内視鏡などの検査機器をはじめ,様々な機械の大幅な薄型化・小型化に貢献できる技術となる。
22 弱教師あり学習によるコンクリート構造物の自動点検手法 東京大学 特任研究員 ルイ笠原 純ユネス
研究要約
コンクリート構造物の点検など、特殊な点検作業には訓練データを取得するのが困難であり、近年自動化に役立った機械学習法の多くが応用不可能だ.その場合は弱教師あり学習が適切である.しかし弱教師データは不完全である.そのため本研究では弱教師データの拡張を行い、高精度で応用性が高い点検手法を目指す。
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過去の助成実績

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